感想文としては満点

演劇と言葉あそび

【レポート】南座 春の舞台体験ツアー

ゴールデンウィーク最終日、いかがお過ごしでしょうか。皆さん連休は楽しめましたか?

私は帰省ついでに京都にある南座で開催された南座 春の舞台体験ツアーに参加してきました!

南座と多和田任益さん(8頭身アクスタ「めっちゃスキェ。」)

多和田任益さん(8頭身アクスタ「めっちゃスキェ。」)もニッコニコ

以前から東京藝術劇場のバックステージツアーのレポート(東京芸術劇場プレイハウスのバックステージツアーが楽しすぎたのでレポート - しおりん日記)等を読んでバックステージツアーに憧れがあり、どこかの劇場を見学出来るイベントに参加出来ないだろうかと機会を伺っていたのだが、e-plusのメルマガか何かで偶然こちらの企画を目にして「ようやくタイミングが合った!」と思い母を誘ってチケットを購入した。

今では「もし『熱海殺人事件』を観るなら出来れば紀伊國屋ホールで!」と勝手に宣伝するほど紀伊國屋ホールを愛してやまない私*1だが、実は初めて「熱海」を観たのは南座である。

訪れた回数は少ないものの一生をかけて愛するつもりの大事な作品に出会った特別な劇場なので、初めてバックステージツアーに参加出来たのが南座で良かった。紀伊國屋ホールもバックステージツアー……やって欲しいが……!

当日は連休中という事もあり京都は人手が多そうでテンションが下がっていたため遅めの昼食を取りつつ少しぶらついたら特にやる事がなくなってしまった。早めに劇場に向かったところ、スタッフさんが頑張って呼び込みをしていた。次回開催時にはもう少し人が入ればいいなとの思いもあるのでレポートをする(といっても舞台機構の体験がメインなので参加人数のキャパシティはそこまで多くない気がする)。

まずは入り口でチケットをもぎってもらい座席に着席。入場時に南座の解説が載ったパンフレットを手渡された。

客席内で撮ったパンフレットの写真

パンフレット

事前にプレイガイドでチケットを購入する際に連番で買えなくて困惑した(連番で購入出来ない旨の表示がされる)のだが、座席番号を見た感じで「どうやら1席空けで売ってるらしいな」と予想して2枚購入したところその通りだった。今後もこの運用かはどうかはわからないが京都観光しつつ来ている人も多いと思うのでお土産などの荷物も置けるし便利だと思う(大人数が参加するものではないし)。

座席に柏餅が貼ってあったのが良かった。可愛い。

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お気付きの方もいると思うが、写真が撮り放題で、普段は客席での撮影厳禁の舞台ばかり観ているため劇場でいくら写真をとっても問題がない事が既に面白くてまだ始まっていないのにも関わらずテンション上がり気味にめちゃくちゃ写真を撮った。

写真撮影可能だと気になるのが他の人の写真への写り込みだが、スタッフさんもSNSに上げる際の注意事項をお話してくれていたので安心した。

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座席で軽い説明を受けた後はいよいよ舞台上へ。

客席に入る扉の横に花道への扉があった

実際に役者さんが登場するのと同じように花道を通って舞台に向かった。花道を歩くのはかなり気持ちが良く、観客の視線を集めて花道を歩くのは相当な気持ち良さだろうと考えながら歩いた。
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舞台上からの景色

ここで説明があったのが、南座の舞台は通常はヒノキが全面に張られた所謂「檜舞台」であること。

推しの俳優(味方良介)が特に演劇愛が強く「土足で舞台上に上がるなんてあり得ない」という思想の持ち主なため私も劇場に行く前に土足で舞台上に上がることになるのだろうかと気にしていたのだが、お客さんを迎えるために今回は黒いシートを敷いているとのことで安心した。

舞台上には実際に使われていた大道具が置かれていて「是非記念撮影してください」とのことで舞台上でもバシバシ写真を撮った。母がどこで撮影しても棒立ちで面白かった。何故。

舞台上では廻り舞台と上がり迫り、下がり迫りを体験。

廻り舞台は体感では動く歩道に近いイメージ。それよりは若干揺れる。「乗り物酔いをしやすい人は内側の方が酔いにくいです」との案内があったので酔いやすい方は案内に従うと良いと思うが、そうは言っても動くのは数分もないので大抵の方は恐らく大丈夫かと思う。

その後2手に分かれて上がり迫りと下がり迫りを同時に稼働させ、交代でどちらも体験。

スタッフさんも仰ってたのだが、上がると照明が高くなって暑く感じて、逆に下がると舞台の下はヒンヤリとしていて涼しいくらいで、「こんなに体感温度が違うんだな。照明ってやっぱりすごく暑いんだ」と実際に体感出来たのが印象的だった。

上がり迫りからの景色

上がり迫りは180センチほど上がるとの説明だったので高所恐怖症だと若干厳しいかもしれないが、私もどちらかというと高いところは苦手な方だが全然平気だった。「すげーー」が勝つ。

下がり迫りからの景色

その後は舞台脇の大道具の搬入口を見学。シアターコクーンもそうだが、舞台のすぐ外には「日常」があると思い知らせるのがなんだか好きだ。

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再び舞台上に戻って、緞帳が下がった状態で歌舞伎の演出方式「チョンパ」の説明。

舞台上も客席も暗いままで緞帳を上げ、柝(拍子木)のチョンの音で突然パッと照明をつけることから「チョンパ」と呼ばれる歌舞伎の演出を体験。調べたら宝塚でも用いられる言葉のようだが私は知らなかった。

パッと照明がついて大向こうの「ヨッ!待ってました!」が聞こえた時にバカほど自己肯定感が上がり、「私、このまま舞台上で生きていく……!」という気になった。ファンの皆さんの温かい声援が私を舞台に立たせるという気持ちが身をもってわかる。来世は絶対ミュージカル『テニスの王子様切原赤也役になってやるからな

チョンパで照明が点いた際、花道に南座のマスコットキャラクターみなみーなちゃんがサプライズ登場してくれた。みなみーなちゃんは南座のマスコットキャラクターで、尻尾がついてるのが可愛かった。

あまりにも可愛いのでうっかりぬいを買いそうになったが私は前日に「布に出すならこの金額が限度だな」と私が考えている値段の倍以上するコートを買ってしまったので、耐えた。

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舞台上から降りて荷物を手にした後は自由に2階席、3階席を回ってちょっとした展示を見ることが出来る。

劇場を出るとちょうど次の回の客入れをしていたので丁度45分で終わった。

各階の座席からの見え方がわかるので南座での観劇予定がある方は下見が出来るのがおすすめポイント。

公式サイトに“「花道」「迫り」「廻り舞台」など江戸時代に日本の芝居小屋で発明された歌舞伎劇場特有の舞台機構を実際に体験できるユニークな劇場体験プログラム。”とあるように、舞台機構の体験がメインのちょっとしたアトラクション感覚のツアーだった。サクッと終わるので京都観光の予定に組み込むと良いかと思う。

夏にもあるようなので予定が合いそうな方は是非。

 

キャラクター大賞2023ではかぶきにゃんたろう(とバッドばつ丸)を応援してます!