感想文としては満点

えんげきとことばあそび

当ブログについて

熱海殺人事件』を擦り続けながらなんらかのエンタテイメント作品に言及しています。テーマは、愛です。

観劇した作品について独立した記事を書いた場合には本日の現場 カテゴリーの記事一覧 - 感想文としては満点に、その他の作品も全て月毎に 観劇まとめ カテゴリーの記事一覧 - 感想文としては満点 で纏めております(2019年〜)。

 

綾野剛の演技と『MIU404』について書いた『綾野剛の演技に感じた「本当」への渇望〜なぜわれわれは『MIU404』に熱狂したのか』で、TV Bros.主催投稿コンテスト「マイベストカルチャー to 2021」<銀賞>ドラマ部門賞をいただきました。

受賞作:綾野剛の演技に感じた「本当」への渇望〜なぜわれわれは『MIU404』に熱狂したのか|かちん|note

 

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記録:6月

よくも半年分も溜め込んでいるわね、と言うわけでサクッと!

パンドラの鐘

@シアターコクーン

0611

『フェイクスピア』観劇以来、野田秀樹についてもう少し知りたいなと思い観劇。U-25チケットがあったのも有り難かった。

『フェイクスピア』を観て難解に感じた構成が他の作品でも共通しているらしいと気づけたので良かった。イメージを見せるというのをかなり長い時間かけて、そこからメッセージに最短距離で飛躍してくるというような印象かな。

パンドラの鐘』は直球の反戦の祈りだった。シアターコクーンだから出来るラストの演出も胸に響いた。センターブラックで観たかった。

演劇ドラフトグランプリ

@日本武道館

0614

「演劇ドラフトグランプリ」講評 - 感想文としては満点

暴太郎戦隊ドンブラザーズショー シリーズ第1弾

@シアターGロッソ

0625

まだキャラクターが固まる前に始まった第一弾公演。噂に違わぬニセモノ感でゾクゾクしたが、オニシスターの絶叫で終幕するのが「ドンブラらしさ」全開で最高。

読奏劇「猿ヶ島」

『"朗読"という楽曲のMusic Videoを届ける』 をコンセプトにした企画「読奏劇」で梅田瑞樹が太宰治の『猿ヶ島』を朗読した。

【 Dream Stage -読奏劇2021- 】「猿ヶ島」<ダイジェスト> - YouTube

ドラマとも通常の演劇の配信ともまた違う映像作品としての性質も朗読劇としての性質も上手く活かした良質な作品に仕上がっていた。

期間限定で無料公開された映像をYouTubeで視聴したが、公開終了間際にクオリティの高さでかなりTwitterのタイムラインがざわついていたのをよく覚えている。実際すごかった。

語り、私、彼のすべてを梅津が演じたが、自己との対話に回帰していく『猿ヶ島』という作品の性質上も相まって非常に緊迫感溢れる作品だった。

映像作品でありながら演劇的なセットの組まれ方が成されていて「読奏劇」の名に相応しい仕上がりになっている事とこれを映像で観ても不自然に感じさせない梅津瑞樹の語りと芝居の上手さが織り成す極上の時間だった。

Blu-rayは買えるようです:Dream Stage-読奏劇- Blu-ray | Dream Stage -読奏劇- | A!SMART

ダブル第二十七幕

何がヤバいって多家良の「よそで死なれるのもやだ……」だと思っていて、『ダブル』序盤では「友仁さんが作り上げた役作りを多家良が裏切ることによって2人の役が完成する」だったのに多家良はもう1人で物語の核心にきちんと辿り着けるようになっている……という…………。

少なくとも私が「飛龍伝」履修して一番残っているのって熊田と山崎の間にある仄暗い執着だから、多家良のあの一言めちゃくちゃ核心だと思っている。

あと環境がその状況を作り上げただけでやっぱりこの2人は表裏一体なところがあるんだわね〜〜というところをめちゃくちゃ高い解像度で理解して解体して再構築したのが稽古場のあの一連の流れ……………この漫画面白すぎる。見事としか言いようがない。

早くまとめて読みたいのでなんとか5巻収録版までは早めに描いて欲しい気持ちがある。

【日記】若手俳優のオタクがディズニーランドに行ったよ

ディズニーランドに言ったら楽しかったので、日記を書きます。

まず朝ですが、私は現在『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』が再演されるまでの願掛けとして毎日プランクを60秒行っているので、せっせとプランクをしてから舞浜へ向かいました。絶対に帰宅してからだとやらない自信があったので。

先日多和田任益さんのバースデーイベントがあり、お見送りでお話しする機会があったので本人に直接「再演が決まるまで願掛けとして筋トレをやっています」と申告したところ、「公演が決まる頃にはバッキバキですね!」との返答をいただいたので道のりは険しそうです。HUNTER×HUNTER連載再開よりは時間がかからないと信じております、ゴーチ・ブラザーズの皆様。

そんなこんなで舞浜駅8時30分集合にはメンバー全員少しずつ遅刻したりなどして、着いたぞ、夢と魔法の国!!!!

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画像は先ほども書いた多和田さんのバースデーイベントのグッズとミッキーを模した花壇の写真です。クリスマス仕様ですね。

このクリアカードは、今回一緒にディズニーランドに行ったメンバーに以前サンプル画像を見せたところ「物撮りするためのグッズにしては多和田さんが前面に出過ぎでは」と指摘を受けたところが気に入っています。実物を見せると喜んでもらえました。

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ちなみに3枚セットのうちの残りの2枚は多和田さんが控えめです。

写真を見ても分かる通り、11月の前半だというのにパーク内は既にクリスマス一色で震えました。でっかいクリスマスツリーも聳え立っていました。

元々ディズニーランドに行こうという話をしていたのは9月か10月頃で、「いわゆる手下(のオタク)がいたりいなかったりすると混みそうだから避けよう」との話をしていたのに、ハロウィンを避けたらクリスマスがやってきていました。早すぎやしないか。まだ秋だぞ。

写真でもわかる通りの快晴でラッキーでした。ジャケットを羽織ると暑いくらいの気温でしたが、パーク内で辺りを見渡すと半袖の人からダウンコートの人まで各々好きな格好をしており、「現場服」って感じでなんか良かったです。

パークに入園したら、ひとまずホーンテッドマンションファストパスを取りつつ、新アトラクション美女と野獣“魔法のものがたり”へ。のちに理由が判明するのですが、思ったよりは並ばずに乗れました。

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画像は並んでいる途中、犬(?)の尻尾が時折揺れるのを必死に多和田さんに見せている様です。

“魔法のものがたり”は、すごい有り体に言うと想定していなかったところで人形が登場して動いたのが驚きで、その上めちゃくちゃリアルで感動しました。以下ネタバレです。

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行った方はわかると思うが、この写真のところです。

私は元々は三半規管は強い方なんですが、今年になって胃を患ってから気分が悪くなることに対して過剰に気にするところがあって、肝心の乗り物に乗っている間は結構「よ……酔うか?酔わないのか?酔わ……ないな?」と不安になっていたので微妙に集中しきれなかったです。

体を斜めにされたまま割と動いたり回ったりしたので、胃を動かさないことに注力はしていたが、結果的に酔いはしなかったです。

こんな調子だったので、アトラクションそのものだけじゃなく待ち時間に仕掛けられているエンタテイメントが豊かで並んでいる時に楽しかったのはいい思い出になりました。早く健康になりたい。

ちなみに乗り物に乗っている時も、呪いが解けた犬タンが可愛かったりしたのが嬉しかったりはしました。

周辺を散策したり、昼食を食べたり、比較的空いているアトラクションに乗りつつ、ショーが大好きなので「ショーを観たいです」と所望して座席が当選していた「クラブマウスビート」までの時間を過ごしました。ディズニーランドとかシーとかのショーって外れたら取り返しがつかなくて若手俳優のオタクとしてはかなり残酷なシステムだと思っています。パークの外のチケットは諦めなければ大抵なんとかなるので。

個人的にメインイベント「クラブマウスビート」は、ミッキー達が盛り上がる楽曲に合わせて踊る感じのショーで、楽しかったです。ドナルド・ダックが割と好きなので扱いが微妙に渋くて若干悲しかったです。

最近サンリオピューロランドにも行ったので、ピューロランドのダンサーに比べると舞浜のダンサーは振り付けに忠実に踊るタイプなのだなあと考えたりもしました。

ショーの中盤、ステージ上にライトニング・マックィーンが登場して、事前情報を入れていなかったため車が出てくると思わなかった私と『カーズ』が好きな友人の2人がフ ロ ア 大 熱 狂(超局所的)になりました。基本的にはダンサーが多めに踊って、マックィーンは人を轢かないようにささやかに前後に動いていました。。上下にもちょっと動く。

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あとあまりにも私が盛り上がりすぎて写真がないのだが、途中でヴィランズがショーを乗っ取る展開があり、『白雪姫』の女王(魔女)がおばあさんの姿でめちゃくちゃ踊りまくっていたのが意味不明すぎて手を叩いて喜んでしまいました。あんなの笑顔になってしまう。

Twitter検索したら動画も出てくるのでよかったら観て欲しいのだが、どうやら回によってかなり動きが違うらしく、どうしてダンサーよりキャラクターの方が自由度高いんだよと突っ込まざるを得ない。というかこの翻弄さは2.5次元舞台だったら怒られてると思います。

ホーンテッドマンションに乗れる時間を待ちつつ、『美女と野獣』で完全に味を占めた私たちは『ピノキオ』もアトラクションでストーリーを履修しようとしたのだが(“魔法の物語”はアトラクションに乗ると『美女と野獣』のストーリーが概ね理解出来る内容となっている)、何故か「ピノキオの冒険旅行」はストーリーよりはサイコなお化け屋敷に特化した内容でした。子供は泣くと思う。

そして、いざホーンテッドマンション!!!!

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やはりこのクリアカードの「行くぞ!!」って感じがイベントごとにはぴったりですね。

ホーンテッドマンションが好きな私はこの時点で目的はほぼ達成。調査不足で内容がクリスマス仕様に大幅に変更になっていたので残念なようなこれはこれで良かったような気持ちになりながらも、大好きな知らないおじさんの「セーフティバーは私が下げる……」が聞けたので概ね満足です。あの知らないおじさんの声が聞けるボタンが欲しい。ガチャガチャとかで。

私はカントリーベア・シアターも好きなので、行かせてもらいました。小さい頃は祖母が千葉に住んでいたのでしょっちゅうディズニーランドに行っていたのですが、親が休憩したさにしょっちゅうこういうアトラクションに入っていたのでこの系統のアトラクションが好きなんだと思います。ミッキーマウスレビューも好きだったので。三つ子の魂なんとやら。

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画像は推しの熊と推しの人間です。

夏のバージョンの方がストーリーがあってセットリストも好きでした……というかものすごいベーシックなショーだったけどクリスマスバージョンがあったはずよな?と思って調べたらどうやら休止している様子。寂しい。

その後は、老いなのかなんなのかわからないがあまり激しい乗り物には誰も乗りたがらず、割と写真撮影なんかをメインに楽しんでいたらキャストのお兄さんが「本日はもうすぐ閉園です!!!!」と叫んでいて焦りました。急いで残りのタスクをこなして帰宅しました。後から調べたら、夜だけ貸切の日だったせいで閉園時間が早かったようです。ガーン。だから空いてたっぽいです。みんなはちゃんと調べてから行こう!

一日、クリアカードの多和田さんと過ごしてみて、クリアカードはポケットにしまいやすいし(落としそうで怖くもあったが)、サッと取り出しやすいし、面積が広いからかアクリルスタンドよりピントが合いやすいし、良いグッズだな〜〜と思いました。クリアカード、おすすめグッズです。

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「ぬい撮り」ならぬ「たわ撮り」、楽しかったので今後も楽しみたいと思います!

 

【宣伝】これは完全に記事とは無関係の宣伝なのですが、私の大好きな迷宮歌劇『美少年探偵団』のレンタル配信がDMM.comAmazon prime videoやU-NEXTで購入出来るそうなので観てください。何故なら私が続編を観たいからです。

美少年の探偵たちが次々に事件を解決しながらサンバを踊る愉快な舞台です。本当です。

 

記録:5月

  誕生日だぜ(11月2日)ってことで今年も終わりに近づいてきているので溜め込んでいる更新分をサクッとアップしていきたい所存。

 4月分は『新・熱海殺人事件千穐楽のみだったため、3月にまとめて省略。

ACTORS⭐︎LEAGUE in Games 2022

@幕張メッセイベントホール

0502配信

 楽しそうで何より。

 本田礼生さんって何してもかっこいい!

浪花節シェイクスピア『富美男と夕莉子』

@紀伊國屋ホール

0508

 物語は『ロミオとジュリエット』を舞台を大阪に移し、亡くなった富美男と夕莉子が交わした交換日記を死に別れた仲間たちが読み返して事の顛末を遡っていく形式。

 原作は悲劇だが、湿っぽくなり過ぎないのが浪花節桜井日奈子の暑苦しい芝居が作品にマッチしていた。

 観る前から想像出来てたけど、見れば見るほど浜中文一があまりにも違和感なく「劇団Patchです」って顔で舞台上にいた。

いのうえ歌舞伎『神州無頼街』

0514夜ライビュ

 「髙嶋政宏と松雪泰子の命を賭けた宿命のライバルBLだ…………」って思ってたら宮野真守福士蒼汰のほのぼの子育てBL始まって凄かった。全然嘘ついてないから。

《多和田任益 カレンダー 2022-2023
発売記念チェキ会》

@福家書店

0515

 意外と人生初チェキ撮影。楽しかったです。

飛龍伝2022

@紀伊國屋ホール

0521夜

 山崎は切なく。桂木は情けなくて惨めで。神林委員長は美しい。

 「飛龍伝」って良いなと思った。

 『飛龍伝2020』と比較すると、異性愛至上主義的な美智子と一平にフューチャーされた物語に仕上がっていた印象。2020年版がおかしかったと言われればそうなのかもしれないが、『初級革命講座 飛龍伝』の派生作品としては2020年版が正しいとも思うけれど、錦織一清が演出する「飛龍伝」としてはなるべくしてなっていた。

 ただ、北区は戯曲をかなりまっとうに演る団体なのだなと初見なりに感じて、これまでの錦織演出のつか作品はかなりアクロバティック解釈だったから意外な仕上がりでもあった。

 「新熱海」の時にも感じたけれど、一色くんの芝居も読解力に優れているから「正しい」なぁという印象だったので一色くんと北区との相性が良かったせいかもしれない。

 全共闘と機動隊が下手と上手に別れてダンスバトルが始まってそれぞれが赤と青に照らされるライティングだった瞬間だけメチャクチャ錦織一清……っていうかジャニーズ文法だ!!!!と興奮した。自我が出るところそこなのか。

マイ・ブロークン・マリコ

 これは映画になりますわね。

Vシネクスト「機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー

 「ゾックス・ゴールドツイカー(増子敦貴)がなぜか突然歌ったり踊ってたりしてたのって、単に機嫌が良くてただ歌いたいから歌って踊りたいから踊ってるだけなんだ!」って急に腑に落ちた。天啓だった。本編ほぼ全部観たのに、本編終わってから降りてきた。

 キャプテン・マーベラスとツーカイザーはどちらも享楽で闘っている感じが良いし、その後認め合って共闘しているのも良くて、この様をおかげもあるのかもしれない。

舞台『青の炎』を観に行ったら「あやや」が目の前に現れた

あやや」がいた

 こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにあややがいた!!!!オタクの誇張表現とか過言とかじゃなく、本当に「あの」あややが2022年に目の前に現れた。観劇後に待ち合わせた嵐オタクの人と「この公演を一言で表すなら、あややがいた! じゃないですか?」って話をするくらいに、本当に目の前にあややがいた。

 元二宮担として観ておくべきかなと思い、勇んで初日のチケットを取った舞台『青の炎』。映画を観たのも、原作小説を読んだのも、嵐ファンをやっていた中高生の頃で遠い記憶。観劇前夜にAmazonプライムで映画を少しだけ眺めてみて、そういえばこんなシーンあったかもと思う程度の記憶を携えながら、スペゼロに向かった。

 櫛森秀一(北村諒)がロードレーサーを走らせ、独白しながら登校する。役者が周囲で原作小説を朗読するような形で語る。遅刻ギリギリで教室に滑り込んで、秀一はクラスメイトと雑談をして、そして福原紀子(飯窪春菜)が秀一に声を掛ける。

 「あややだ」と思った。一言どころか一音発した瞬間から知ってる音がした。紀子が「きみ」と語りかける度にちょっとこっそり笑っちゃうくらいに、あややの紀子がいた。

 原作小説がある映画を舞台化しているわけではないだろうし(劇場で小説を売っているし)、実際に北村さんはじめ他のキャストはそれぞれが新たに起こした役として演じていたにも拘らず、紀子だけがあの時の紀子のままでそこにいた。これが何よりもインパクトを残し、奇妙なうねりのようなものを生んで作品の面白さの1ピースとなっていたように思う。

 飯窪さんは原作小説ファンのようなので意外な役作りではあるが、当時のあややを推してたはるなんのオタクの人がこの世に存在したら絶対観て欲しいくらいの完成度の高さだった。

90年代後半〜00年代の若さが現代に描かれるちぐはぐさ

 「あややがいた」の衝撃は一度置いて作品としての話をする。正直、映画を視聴済みの身からすると少し物足りない印象ではあった。

 というのも、この作品を現代で上演するにあたって一番の壁が現代の若者は当時よりずっと賢いことにあると思っていて、これは単なる知能とかの問題ではなくて(ましてや秀一は優等生であるし)単純に覗きうる世の中がもっと多くて広いことから来るものだと考えられる。

 戯曲は少々原作から手が加えられていて、秀一と紀子がデートの約束をするのはチャットアプリで(ということはスマホを持っている)、「ゲイと噂が立てられている」と抗議する友人に秀一は「多様性の時代だ」と諭す。そんな今どきの若者がする追い詰められ方ってどんなものなんだろうというのが若者ではない私には想像がしにくいのだが、もっと「賢い」やり方を見つけてしまうんじゃないかなあと考えてしまう(この「賢さ」は実行方法の周到さにも繋がるかもしれないけど、逆に実行しない方向へ働くこともあると思う)。

 秀一やクラスメイトの人物造形も設定に合わせて現代に寄っているように思えて、自然ではあるが金髪の二宮和也が放っていたような若者特有の尖りだとか切迫感、危うさなんかは感じづらく、むしろ爽やかさすらあった。観やすくはあるが、物足りなさの原因にもなっていた。

 かつて“17歳の完全犯罪”と称された危うい犯行と現代的さは、どう考えてもちぐはぐだった。

 しかしこのちぐはぐさに多少は目をつぶっても良いと思えたのも事実で、小説を原作にした舞台作品としては、下手したらくどいとも言えそうな朗読のような演出をはじめとする非常に演劇的な演出とこれによって顕になる貴志祐介の書く地の文の面白さによる作品の魅力が確かにあった。とすると、新作の舞台作品としては真っ当に「良い作品だった」と評価できるのではないか。どうしてかまわりくどくしか褒められないが、率直な感想だ。

 私が映画で一番印象に残っているのは、予告にもあるからかもしれないが、秀一が好きなものを羅列している声だ。まっとうに優等生に見えて、家族を愛し、おおよそウイスキーをこっそりストレートで飲んでいそうもない北村さんが演じる秀一はどんな声色で好きなものの話をするのだろう。

 

 公演期間は11月6日まで。11月3日は配信あり(各回3500円)。田中涼星が全く異なる3役に挑んでいるのもお薦めポイント。

舞台「青の炎」公式サイト

 それにしても『青の炎』がアマプラで観れちゃうの、信じられない気持ちになる。