これは令和に木暮公延の恋人(の人格)が爆誕するまでを記録した記事です。
『THE FIRST SLAM DUNK』を観るに至ったきっかけ(ここは読み飛ばしても良い)
世間では割と不評なようだが、私はTwitter公式アプリユーザーであり、雑な感じで流れてくるおすすめツイートをチェックするのも好きな方だ。なんとなく世の中で流行っているものがわかったり知らなかった世界にうっかり出会えたりするからである。そもそもありとあらゆるラベルを読むタイプなので、自分に全然関係ないママアカウントのなんでもないツイートなどもつい真剣に読んでしまったりする。
前置きが長くなったが、普段使っているTwitterアカウントの他に漫画やアニメ作品の二次創作物をウォッチするアカウントも持っているのだがそのタイムライン上には頻繁にジャンル「漫画」というかなり大雑把な括りで全然知らない作品の二次創作がタイムライン上に流れてくる。
そういった理由で「ミツイなる人物がタイムライン上で突然モテ始めたな」と感じたのが、『THE FIRST SLAM DUNK』が気になったひとつのきっかけだった。
もうひとつきっかけになったのが、好きな俳優・多和田任益さんのマネージャーが『THE FIRST SLAM DUNK』の公開をものすごく楽しみにしていたこと。これにも色々と経緯があるのだが私は多和田さんより先にマネさんのオタクになっているほどにマネさんのことが好きなので*1、マネさんがが好きというのも興味を持つきっかけとなった。
現在多和田さんの事務所に所属するタレントは多和田さんのみとマネジメントが手厚い体制であるため、多和田さんもいい大人なので大抵の事は自分で出来るとは思うのだが、マネージャーと多和田さんの関係はかなり親子関係に似ているように側からは見える。その上、多和田さんは特撮・ポケモン・ちいかわなどのラインナップの多趣味かつグッズへの執着が強いため、事務所をぬいぐるみだらけにされたりなどの実害を受けているマネージャーさんに嗜めている様がかなり頻繁に見受けられ、その様子が対幼児の育児に私には見えている。そのため公開日初日がちょうど多和田さんが仕事で大阪にいたタイミングだったのを知った時は「ひととき子から手が離れたタイミングで良かったなあ」とひそかに喜んでいたのだが、実際は「一旦原作を読んでから行きたい」とのことで初日には観ておらず「マネさんがこんなオタクしぐさをするなんて余程好きなのだな……」と感動すら覚えた。
というのも、普段『多和田任益のはねやすめ』という多和田さんが「オタ活」について話すだけ*2のニコ生番組では少なくとも多和田さんのオタクである視聴者に感謝と理解を表しつつも「オタクの行動が理解出来ない……」と毎回呆れているのが普段のマネさんなので、そんなマネさんがものすごくエンジョイしている様子を見て、俄然作品にも興味が湧いたのだった。
『SLAM DUNK』に関する筆者が持っていた知識
そんなこんなで、原作を全く知らない『SLAM DUNK』の映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観に行くことにしたが私が持つ原作の知識は本当に少ない。後から調べたところ『SLAM DUNK』の連載期間と私の人生が被っていなかったし、両親も世代ではないので作品について詳しく知る由もないのは仕方のないことでもあった。
さすがに名作中の名作で多くの人に愛される作品であるため、
くらいの知識は持ち得ていたが、その他はからっきしだ。
あまりにも知らないので下調べをしようかとも思ったのだが、(コンテンツとファンとの関わり方やシリーズ作品なのかそうでないか等の条件も加味するが)初見でも楽しめるまとめ方であることがメディアミックス作品の評価に大きく関わってくると考えているので、あえて何も調べないことにした。
なおバスケットボール自体はミニバスの経験があるのでルールはなんとなく理解している。
総評
めちゃくちゃ面白かった!!!!
カット割や魅せ方が純粋にバスケの試合として面白いと思える仕上がりだったから、どのような試合展開になるのかどちらが勝つのかわからないまま観戦するのが楽しくて、初見で行って良かった。湘北の事はおろか山王の事も何も知らないからフラッと近所の体育館に高校生の試合を観に来た観客みたいな立ち位置で観た。過去にそういう経験があったのもあって、一番感情移入したのは会場でつまんなさそうにゲームしてた子どもかもしれない。私は最初から楽しんで見てたけど。
一つの試合の中で様々な回想を入れ込んでいく形で物語が進むのも、まとまりがあって見やすかった。構成が上手い。初見のせいで知らない記憶が流れてくるの面白かったが、後から聞いたところによると一部初見じゃなくても知らない記憶だったらしい。ひっかけ問題すぎる。
ジェネレーションギャップ(カルチャーショック)
作品としてはめちゃくちゃ面白かった。面白かったけどジェネレーションギャップはあったなと感じたのも事実だった。
特に後半で気になってしまったのは、桜木花道が病院に行かない事。私は『ハイキュー!!』と共に青春時代を過ごしたと言っても過言ではなく、同作くらいしかスポーツ漫画を読んできていないので余計に気になったかもしれない。『ハイキュー!!』って結局要約すると「ちゃんと病院に行く漫画」じゃないですか……?いや違うけど、そういうの含めて「人生の全部がバレーボールなんだ」って言ってくれてる漫画だと思っているので、かなりひどい怪我をしたらしい桜木花道に対してチームメイトは全員何も言わないし、安西先生も結局押し切られてしまうし、流川に至っては煽るのにはかなり違和感があった。流川は煽るな。
そもそもアカギが盛大に転けた時点で大人はもうちょっとしっかりしろと思った。
後から「そういえば安西先生にバスケがしたいと訴えるシーンはなかったな」と思ったので、映画だとカットされてるだけで、私が「さっさと桜木花道を病院にブチ込めよ」と思っている裏では桜木花道による「安西先生!!バスケがしたいです!!!!」っていう実は必死の交渉が行われてたってことか? と推理したが、そもそも桜木花道は安西先生のことをオヤジ呼ばわりしてたので多分違う。映画だけで言えば1番バスケしたそうだったが。
あとは、しっかりめに暴力を振るうのにもギャップを感じた。
私が小〜中学生の頃にも不良モノのスポ根コンテンツってあったはずで、パッと思いつくのだと『ROOKIES』とか『テニスの王子様』でも不動峰中学とかがエピソードとして挙げられるかなと思うのだが、(どちらもメディアミックス作品を観たイメージで話すが)基本的には敵対していた不良グループとかに呼び出されて喧嘩になったとしても殴られこそすれ、試合に出るために自分から手を出さずに耐えるイメージがある。しかし『THE FIRST SLAM DUNK』ではただの不良っぽいロン毛はともかく宮城リョータさんもめちゃくちゃ殴るので驚いた。そしてびっくりするほどボコボコにされてる。そんなに殴らなくても……と思うくらい殴られている。ていうかバスケするんじゃなかったのか?!バスケしろ。
そしてこれはジェネレーションギャップというかカルチャーショックに近いけれど、メインキャラの髪の毛が割と頻繁に伸びたり縮んだりするのも衝撃だった。特に今はキャラクター大飽和時代で、髪型や髪色をキャラクター性として大事にしたり愛したりということが多いように感じているので衝撃的だった。
(リョータさんとロン毛が喧嘩売り買いしている下りで「完全にロン毛は坊主になるやん」と思って脳内で湘北の坊主探したけど黒髪の坊主はいなかったし結局坊主にはならなかったのには疑問が残る。)
ベンチが可愛い
結局ベンチのヤツらが可愛くないですか?暴力とか振るわなさそうで……いや知らないが……
私はミュージカル『テニスの王子様』通称テニミュのオタクをやっていたことがあるのだが、テニミュには「ベンチワーク」と呼ばれるベンチにいる選手が試合を観る芝居を楽しむ文化があり、ボールを目で追う仕草や試合に対する感情の表現、時には小ネタを仕込んでいたりアドリブがあったりというのをよく見ていたせいもあるのか、割とちゃんとベンチにも注目して見ていた。
といっても勝手に物語の本筋とは違うところに注目出来るミュージカルと違って映画はきちんとそういうカットが存在しているのだが、一般的な人よりはベンチに座る選手に興味を持つ才能があると思う。
そんな半ば癖のような形で見ていたベンチのみんなが可愛い。
ボールが吸い付くように念を込めてるのとか、良いじゃないですか。意外と桜木花道って愛されてるんだな。
「湘北に入って良かった……」って言ってるのとかもさ、良いよね。
その中でも特に好きになったのがメガネくんと呼ばれる控えの選手。メガネくんって。いくらなんでもそのまますぎる。オヤジもか。
メガネくんが、安西先生が桜木花道に「ココ!」って言うためだけに出されて即帰ってきた……と衝撃を受けた。しかもメガネくん呼ばわりされているのでかなり酷い扱いに思えてならなかった。
一般的には大して注目するべき活躍しているシーンではないのかもしれないが、しかし何故か……何故かふと彼には突然現れた背が高くて運動神経がいいだけのド素人に突然レギュラーを奪われた葛藤とかなんか……なんかそういうのあったんじゃない!?!??なんも知らんけど!!!!!!!愛した!!!!!!!!!と架空(現時点)のエピソード由来の感情が私の中に生まれた。メガネくん……………!!!!!!
そう、これが令和に突如起こった木暮公延沼落ちの瞬間!!!!
その後も誰よりも諦めずに懸命に応援する姿に心打たれ、帰宅する頃には「安西先生もさ!ひどいよ!(メガネくんの名前)はずっと練習頑張ってきたのに!あんな素人の赤髪をレギュラーにするなんて!」って勝手にキレる彼女の人格が形成され始めていた。彼が本当に頑張ってきていたのかはおろか、名前も知らないのに。まさしく名前も知らぬ眼鏡の男の子(BEYOOOOONDS『眼鏡の男の子』より)状態である。
名前も知らない人たちの特典
Twitterで色々と感想を延べながら未だ名前も知らないメガネくんに思いを馳せていた翌日。『THE FIRST SLAM DUNK』に新しい入場者特典が配布されると発表された。
【ヒット作】映画『SLAM DUNK』、新たな入場者特典はポストカードhttps://t.co/lMrDgs3NX3
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2023年1月27日
ポストカードには、湘北メンバーの木暮、潮崎、石井など、湘北バスケ部を陰で支えるキャラクターたちが描かれており、2月1日より全国50万枚限定で配布されるという。
記事には“湘北メンバーの木暮、潮崎、石井など”とあるが、全員知らん名前である。ということはつまり、この中に眼鏡くんがいると推測した。
もしや、この中に眼鏡くんがいるのでは……!?(かちんの中では未だ名前が判明していない) https://t.co/rtBSqxfm1E
— かちん (@loveholiday128) 2023年1月27日
とりあえず「木暮 スラムダンク」で検索をかける。
「助けてくれ」と思った。本当に。
突然の新規絵は刺激が強すぎる(無論これは新規絵ではないが私にとってはこの世の既存絵が全部新規絵である)。検索をかける1秒前まで名前も知らなかったのに情報過多すぎる。
きみのぶくんっていうんだ……💓
— かちん (@loveholiday128) 2023年1月27日
それどころか、突然副キャプテンであることまで知ってしまった。キュン。
きみのぶくん副キャプテンなんですか!?!!???やめてくれ
— かちん (@loveholiday128) 2023年1月27日
その後もきみのぶくんの事を考えながら過ごし、
今日はスラムダンクをあまり知らない人にきみのぶくんの魅力を語ったのだが、冷静になってみると要するにきみのぶくんを知らない人ときみのぶくんを知らない人がきみのぶくんの話をしている状況。
— かちん (@loveholiday128) 2023年1月28日
ポストカードを初日にゲットするべく1週間も経たずおかわりしていた(観た直後からおかわりを考えてはいたのだが)。
きみのぶくんのこと見ようと思って観ると意外と色んなところにいる上に、インターネット情報「きみのぶくんは変なTシャツ着てる」がマジだった
— かちん (@loveholiday128) 2023年2月1日
かちん的に未成年とのお付き合いは🆖なのできみのぶくんの年下彼女の人格でも生み出そうかと思ってたんですけどスラムダンク世界の倫理観ならオッケーな気がしてきた上にかちんは治安の悪い湘北高校に通いきる自信がない。
— かちん (@loveholiday128) 2023年2月1日
2回目の『THE FIRST SLAM DUNK』で更にきみのぶくんに注目して観てみたところ、記憶よりもはるかにきみのぶくんがアカギの彼女ヅラをしていたため既にちょっと失恋した気分でいる。
なんかさ、でもきみのぶくんってさ、大体ずっとアカギの彼女ヅラしてたよ。気付いちゃった。
— かちん (@loveholiday128) 2023年2月1日
手元に『SLAM DUNK』のコミックスが現れたのでこれから読み進める所存だが、これからも様々なジェネレーションギャップとカルチャーショックが待っていそう。
かちん㊙️暴れ情報としては「きみのぶくんのグッズがないなら……作るか……」と思い[画像]で工作をしようと目論んだもののこの時代の男子高校生はガラケーすら持っていないと知りカルチャーショックを受けると共に工作を中断しました pic.twitter.com/7HnwhfRfyW
— かちん (@loveholiday128) 2023年2月9日
もしかしてプリント倶楽部もないですか?
— かちん (@loveholiday128) 2023年2月9日
※プリクラは連載終盤にはあったそう
BEYOOOOONDSの楽曲のように「大したことないじゃん!」とならないことを祈っておりますが、スラダン履修者によると「木暮さんは裏切らない」とのことなので信じてみようと思う。
スラムダンク、何故紙しかない……?
▽今最高にアツくて超面白い漫画『ダブル』の話をしている面白い記事
*1:多和田任益OFFICIAL SITE https://gv-actors.comでマネさんが書いているスタッフブログのファンになるところからスタートした。マネジメントとしての思いも含めた多和田さんに関することを手厚くフォローした文章は読み応えがあり、共演者と多和田さんとのエピソードもあったりするので機会があれば是非。
*2:本当に多和田さんが1ヶ月オタクしてきた情報について話すだけの番組である上に喋り足りないらしく大抵押す