感想文としては満点

演劇と言葉あそび

2018年総決算 〜前編〜

 2018年の目標がすべての観劇記録をつけることだったのですが、どうやら難しいらしいということに気付き始めてきたので書きかけてる分以外の感想はこちらにまとめて所感を書こうと思います。

 舞台が少し合わなかったり、その時期にバタバタしてるとなかなか全部書くのは難しいですね。

 

MAPS

2018年6月22日観劇 @ABCホール

 「快楽至上主義者」のパーフェクトグラフィティケーション、「永遠なる怖れ」のインフィニティアフリード、「哀しみの奴隷」のザ・スレイブサッドネスという妖精のような化け物のような存在が3つの物語が交錯し合う中で闘いを繰り広げる話(ではないのだが、本質を探るとそうなる)。結局のところ、楽しいだけの人生は上手くいかないし、かといって怖がっているだけでは何も進まなく、哀しさも時に必要であるというような人生論の話だった。

 響く時は響くのかもしれないけれど、当時、かなり疲弊していて心理状況が舞台上の展開と酷似していたために、あまり楽しめなかった。物語の構成も少し煩雑になりすぎていたような気もする。

 多和田くんは骨格を殺す服を着てもスタイルが良くてすごい。

 

新・幕末純情伝 FAKE NEWS

2018年7月10日観劇 @紀伊国屋ホール

 紀伊国屋で観るつか作品はやはり良い。

 味方はやはりとんでもなく良く、小松田中増子あたりの所謂若手俳優勢もかなり頑張っていて大変良かった。北原さんは、ちょっと、舞台女優としてはどうかな…。今年の熱海が味方さん以外スロースターターだった印象なので、その点では幕末の方が安心して観られたかもしれない。

 これは無論、己の不勉強さが理由ですがオタクなのに幕末(新撰組)を履修していないのでストーリーそのものは観ていてストレスがあった。そろそろ履修したい。

 

半神

2018年7月21日観劇 @松下IMPホール

 乃木坂46桜井玲香さんと日本舞踏家の藤間爽子さんがW主演で、身体の一部を共有する双子の姉妹という役を演じていた。

 柿喰う客のメンバーが多く出演していて、舞台美術も中屋敷法仁お得意の八百屋舞台。これだけでも見応えがあったけれども、主演の2人がとても良かった。美人であるはずの桜井さんは醜い姉を演じ切っていたし、藤間さんの赤子のような妹の無垢さも良かった。きちんと演劇が出来る2人で良かったと思った。

 原作を読んでから観るか、もう一度観るかしたかった。

 

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学VS氷帝

2018年8月12日観劇 @メルパルク大阪

 楽曲が合わなかったのと、全体的に試合がアッサリ進んでいった気がして不完全燃焼で終わった印象だった。

 青学と比嘉試合シーンの回想が丹念に描かれていたのが嬉しかった。六角の時もあったのを思い出して、その時は気にも止めなかったけど青学キャストが卒業しても物語の連続性があることを示すために必要なシーンだと気付いた。

 リョーマが先輩に教わったことを思い返すシーンはどうしても9代目のみんなを思い出してしまったけれど、それは確かに否定的な感情ではなくて、良かったなあと思った。少しずつ受け入れられてたみたいだ。

 ヘビーレインの皆木一舞の風格が昭和歌謡を歌うアイドルスターでした。良かった。この公演1番のお気に入りポイント。

 

マリーゴールド

2018年9月8日観劇 @梅田芸術劇場シアタードラマシティ

 三津谷が優勝!!!!!!!!!!!!!!

 コメディもシリアスも演じられて身体性もある最高な役者。とんでもなく抜群に良かった。綺麗よ、ソフィ。

 

CURIOUS

2018年9月11日観劇 @中之島ビッグトップ

 サーカスを初めて観たけれども、とっても面白かった。上手い人間しかいないので。

 サーカスという演目の性質上構成が飽きさせないものになっている(大体披露する芸が段々とすごくなる)だけでなく、ストーリー仕立てなのと、舞台美術が凝っているため最初から最後までずっと楽しめました。

 ツイログ:身体性が高すぎると逆に身体はモノ化する

 

夏の夜の夢

2018年9月16日観劇 @三越劇場

 演出がなんのひねりもなくてつまらなかったけど、古典で三越劇場だからまぁいいか…。

 流石に日本語がおぼつかないキャストを日本語劇に起用するのはいかがなものか…というのが配役に対する素直な感想。ましてやシェイクスピアなのでなかなか…。

 加藤さんの演技が刀ステと比べて抜群に上手くなってて感動した。何があったのか。細やかな芝居は出来る人なのかもしれないと思った。

 

「DIVE!!」The STAGE

2018年10月6日 昼公演観劇 @森ノ宮ピロティホール

 この作品を舞台化する時、観客が一番楽しみにしていたのは「飛び込み」の描写だと思うのだけれど、前説で見せてしまっていたので残念に思った。フライングをアンサンブルにさせてしまうのも俳優の身体性を殺していたように思う。アイデアとしては良かったけれど、ベストではなかった。

 兎にも角にも、本当に小説が原作か?と思うほど(小説をアニメ化したものが原作ということは一応は理解しているが)日本語が変。脚本が変。飛び込みを始めたきっかけである先輩からかけられた言葉「きっと後悔するぞ」の先にあるのが「練習に熱中するあまり彼女を奪われる」だとか「普通でいられない苦しみ」でいいのか立ち止まって考えるべきだった。あの台詞はこの公演において一番大事にして欲しかった。

 良かったところもあっただけに残念だった。

 

 

 「貴方なら生き残れるわ」の感想は別で書こうと考えてますが、今年はテニミュを残して観劇は以上になります。後半にて総まとめを考えてます。

 おしまい。