感想文としては満点

演劇と言葉あそび

推しをレンタルした

 

  結論から言うと、推しの演出家をレンタルして、オタクたちと旅行をしました。

レンタルに至るまで

 劇団柿喰う客がクラウドファンディングを行うと発表されたのが2021年2月18日。「へぇ〜」と思いながらリンクをクリックしてページをスクロールしていると最後に目を疑う記述が。

■ レンタル中屋敷コース
劇団代表である中屋敷法仁を一日レンタルできるコース。
ワークショップや演劇講座、個人的なお悩み相談でも…?
あなたのリクエストにお応えします!

 レンタル……中屋敷……?????

 中屋敷法仁といえば、劇団の主催として脚本・演出をするだけでなく、2.5次元舞台を含めたありとあらゆる外部の舞台作品も手掛け、人気を得ている売れっ子演出家である。

 かくいう私も、なんせ売れっ子のため全部とは言わないが中屋敷さんの作品は結構な数をチェックしていて、いわゆる「推し」と言ってもいいだろう。そして、私が生涯において1番に愛している作品『熱海殺人事件』の演出も担当したことがある演出家でもある。(参考記事:春、狂い咲く木村伝兵衛 - 感想文としては満点

 とはいえ、突然の推しのレンタルの発表には「10万円出して、8時間も中屋敷法仁と膝付き合わせて何をすれば良いんだ……正しい利用方法がわからない……」と困惑していた。だって一応、彼は裏方の人だから。すると友人から鶴の一声が。「みんなで借りれば良くない?」。「なるほどその手があったか……!」「じゃあ借ります?」と言う話をしていると、次々に「私も参加費出すから参加したい」と参加者が集まり「どうせなら遠出しよう」と話は何故かトントン拍子に進み、「推しの演出家と熱海で大好きな作品『熱海殺人事件』について語り合うツアー」が行われることになった。持つべきは決断力と実行力に富んだオタク友達。

 「熱海に日帰り旅行に行って『熱海殺人事件』について話しませんか」という明らかに怪しい提案に先方がどういう対応を取るのか未知のまま、出来るだけ怪しくないよう苦心しながらメールのやり取りを行ってくれた友人の努力の甲斐あってか、何故かノリノリだった柿喰う客に受け入れられた。諸々の調整して無事に旅行の約束を取り付け、万全の感染対策のもと「中屋敷法仁と『熱海殺人事件』のオタクによる熱海日帰りツアー」が行われることとなった。

我々が最も弱いと言っても過言ではないもの、それは朝。

 推しを1日レンタルするということは、朝から夕方まで一緒に過ごすというわけで、つまり早起きしなければ話にならない。

 演劇業界では夜公演に比べて昼の公演のチケットが売れるのがセオリーらしいが、残念ながらわれわれは揃いも揃って朝に弱かった。やたらと早い時間に始まる昼公演を憎んでいるし、選べるのならば夜公演を選ぶ。そういう人種の集まりだ。

 集合時刻は新宿に9時。出勤か?

 ちなみに新宿集合なのは、『熱海殺人事件』作中で犯人大山金太郎が新宿で幼なじみのアイ子と待ち合わせて熱海へ向かい、熱海の海岸で殺害を行なったことになぞらえている。もちろんだが、殺人の計画は立てていない。

 取られた対策は「点呼を行う」。旅行というより遠足じみてきた。

 f:id:boogiewoogiekun:20220710222208j:image

 当日の朝のLINEは「今起きました」「おはよう」「縦にはなってない」「ななめ」「ゴミ捨てしてきました」「縦になれました!」だった。いかに我々が起きられないかがよくわかる。

そして起きる事故

f:id:boogiewoogiekun:20220710222540j:image

 私(最年少)、やらかす。

 貴重品以外のほぼ全てを置いてきてしまった。そういうやつです、私は。

 ちなみにLINEに出てくる「クリアファイル」とは、浮かれて制作したオリジナルノベルティに当日の予定表を挟み込んだものなのだが、クリアファイルはともかく予定表がないと不便なので先に到着していた友人を朝からコンビニプリントしに走らせる羽目になった。その節は本当に申し訳ない。

邂逅、そして遠足へ

 新宿駅で無事同行のスタッフ、中屋敷法仁、そしてなんとか誰も遅刻せずに集合できたわれわれで熱海に向かうこととなる。

 道中の車内では、まずそれぞれ中屋敷さんに対して自己紹介をした。テーマは「1番好きだった『熱海殺人事件』と俳優の推し」。自己紹介だけでいかに特殊な集まりかが窺い知れる。

 そうこうしているうちに辿り着いた熱海駅では中屋敷さんが熱海駅の看板と自撮りを始めていた。それを眺めるわれわれ。友人のTwitterInstagramに投稿されている若手俳優もこうやって自撮りをしているのだな」というコメントが印象に残っている。「なにこれ……」と思いながらもわれわれも看板を写真に収め、気が済んだところで予約をしていた店に昼食を取りに向かった。

 昼食中には結構キワキワの質問もしたのだが、快く答えてくれた。

 昼食後はメインイベントの海岸を歩き、お宮の松も見学した。

 この日は快晴でとても気持ちが良かった。『熱海殺人事件』には海辺に座った大山金太郎の「アイちゃん、あれがお宮の松ちゅうとよ。」という台詞があるが、実際に訪れてみると、お宮の松は結構海岸から遠く、海辺からは見えないことがわかった。

f:id:boogiewoogiekun:20220710224042j:image
f:id:boogiewoogiekun:20220710224037j:image

 ひとしきり散策したところで、これも予約していたレンタルスペースにていよいよ膝を突き合わせて『熱海殺人事件』についてや、全然関係のない話で盛り上がった。中屋敷さんは、「今までに観たベスト水野朋子は何か?」というわれわれでも考えついたことのない質問を投げかけてきて、われわれに負けず劣らずの熱海愛を披露した。今考えてもこの質問の答えは難しい。

熱海殺人事件』の地軸を変える

 われわれはただの観客に過ぎないのだが、紀伊國屋ホールで観る『熱海殺人事件』が好きなあまりよく制作の将来についてや、未来のキャスティングについて話し合う。オタクの妄想にすぎないのだが、やっている間は楽しい。遠足の間で中屋敷さんにも話に付き合ってもらい、中屋敷さんなりに思うところがあったのか帰りの新幹線で通路を挟んだ私の隣の席でこんなツイートをしていた。

熱海殺人事件』を演じたい俳優さんってどれくらいいるのかなぁ…(僕の演出ということではなく)。

 何人かの俳優や、中屋敷さんのファンがこれに反応していて、それについても主役抜きの後夜祭でああだこうだ話し、楽しんだ。

 そして、来たる春。

 紀伊國屋ホールでは毎年新春の時期に『熱海殺人事件』の上演を行うのだが、発表されたキャストにはつか作品常連の味方良介、同制作の作品に連続出演していた高橋龍輝そして一色洋平が名を連ねた。

f:id:boogiewoogiekun:20220714233114j:image

 叶っちゃった!!!!

 「いつもの出演者も大好きだけれども、新しい顔触れで風穴を開けなければ『熱海殺人事件』はどんどん衰えていってしまう」と言い続けていたら、われわれはついに紀伊國屋ホールの地軸を変えてしまったのだ。

 勿論、キャスティングに関わったとは思い上がっていない。だが、偶然のそのまた偶然が生まれる何か1ピースにはなれたのではないかと思っている。上演された作品も最高の仕上がりで、何度も観てきたはずの『熱海殺人事件』の新たな解釈と可能性を感じた。

 愛してやまない作品の「何か」になれたというだけで、このトチ狂った催しを行った甲斐があったなと思ったのだった。

 『熱海殺人事件』の生みの親・つかこうへいの命日。十三回忌公演も無事に終えたこのタイミングで、熱心なオタクたちによる小さな奇跡の記録を公開しておきます。

 

 

 

記録:2022年3月

unrato#8『薔薇と海賊

@東京藝術劇場 シアターウエス

0308/0313

 性欲を嫌悪する童話作家とその女性に心酔する白痴の少年の恋愛物語。

 多和田任益の役どころは自分を8歳だと思い込んでいる童話好きの30歳の男の役。たわはねでデデンネ無双している多和田さんと変わらないように思えて、逆にそれが恐ろしかった。

 ラストの毒々しく照らされた草花は美しかったが、結婚式のシーンは体調悪い時に見た悪夢のようだった。

本能バースト演劇 「sweet pool」

@銀河劇場

0312夜

 原作が“恋ではなく、愛でもなく。もっとずっと、深く重い”をテーマとして、言葉では形容できない「何か」を描き出そうとしている作品を舞台化するのに脚本がストーリー展開と言葉に固執してその行間にあったはずの「何か」を全く浮かび上がらせようとしていない。

 せっかく身体や音楽や空間を使って表現出来るというのに、内田裕基の脚本はただストーリーをさらって言葉で説明しているだけで、舞台の強みである生の人間が演じることで感じられる関係性や情緒を舞台上に存在させる余地がない。

修羅雪姫

@シブゲキ

0327

ずーみんちゃん!おかえりなさーい!

新・熱海殺人事件

0331初日/0403千穐楽

これは改めて感想を書きます。絶対。

『空鉄砲』新人公演 配信

ラストシーンの役回りを全く変えてきた発想がすごい

「演劇ドラフトグランプリ」講評

 演劇ドラフトグランプリ開催、そして劇団ズッ友グランプリ受賞おめでとうございました。個人的な嗜好としては比較的小さい箱での舞台作品を好むタイプなので、新しい催しであることも含めて、どのように楽しめばいいのか?はたまたそもそも楽しめるのか?些か不安ではありましたが、ランタイムを揃えて続け様にそれぞれのチームの作品を観ることで新たな発見もあり面白い試みだったと感じました。

 作品に優劣を決めて観客も投票をする企画ということで、折角なので講評を書きました。

ID Checkers

演出・脚本:中屋敷法仁

テーマ:奇跡

タイトル:キセキの男たち

あらすじ:全球団からの一位指名間違いなしのバッターキヤマのライバルであるフウマ少年。ライバルとは言うものの彼にはちっとも勝利のイメージは湧かない。練習試合でも手を抜いてしまう。そんなフウマ少年の元に謎の青年が現れ、その言葉に惑わされることで、とうとうイップスに陥ってしまう。青年は何者なのか?フウマ少年は高校最後の夏をどう生きるのか?

 トップバッターということで「どんな作品が見られるんだろう?」と思いながら役者の登場を見守り、役者が台詞を話し始めた途端に中屋敷節全開で痺れた。執拗に韻を踏む、劇団柿喰う客のような台詞回しでありながらも、中屋敷法仁が生み出した言葉のペースに飲み込まれない役者もいるところに演劇ドラフトグランプリならではの化学反応があり面白い。

 選手・監督とは違った立ち位置にいた青年役の荒牧慶彦が演出に染まらない演技で作品世界に現れることで「演劇ドラフトグランプリ」ならではの仕上がりになっていたし、中屋敷演出色の強い冒頭とラストに対して良い中和剤になっていた。ネルケプランニングが絡んだ企画に相応しい爽やかな青春群像劇を選んだところに「やりたいこと」と「優勝を狙える構成」のバランスが考え抜かれたプレゼン力の高い作品だった。

 実際にボールを用いて最後の夏に全力で野球に打ち込む青春群像劇といえば、西田大輔作・演出の舞台「野球」飛行機雲のホームラン〜Homeran of Contrailを思い出すが、なにか意識しているところはあるのだろうか。

劇団『打』

演出・脚本:西田大輔

テーマ:りんご

タイトル:林檎

あらすじ:男は言う。「皆さんを誘拐する」。そして「声が聞こえるだろう」と。やがて分断された「4つの国」が林檎を持ちて、それぞれの方法で世界をひとつにまとめようとする。

 大胆な仕掛けがあったことも含めて、一度観ただけでは咀嚼しきれないためなかなかコメントが難しいが、演劇ドラフトグランプリで上演された作品としてジャッジを加えるとするとひとつ言えることは20分でやるには難しすぎるテーマ選択だった。

 感動したのは、普段演劇を行うような劇場よりも大きな会場であっても瞬時に完全に場を掌握した佐藤流司の見得切り力と芝居力だ。佐藤が仮面を取った瞬間に一気に空気が変わったのを感じた。照明の当て方も含めて、あの瞬間はすべてが素晴らしかった。

超MIX

演出:植木豪

脚本:畑雅文

テーマ:虹

タイトル:リューダ Luda

あらすじ:かつて人間の感情は龍神によって司られていた。穏やかに暮らしていた人間はやがて蛇神、鰐神に翻弄され争いを好むようになる。争いや貧困など苦しみ喘ぐ人間はどうなってしまうのか?

 爽やかな青春群像劇から一転ダークな世界を表現した劇団『打』に続くように、超MIXもダークファンタジー調で世界情勢や戦争や貧困を描いた作品が上演されたことに驚いた。「お祭り」的な側面の強い企画のため、メッセージ性の高い作品は少ないかと思っていた。しかし植木豪演出の醍醐味はライティングにあるから(予算の関係かお得意のレーザーがなかったのは残念ではあるが)暗めの物語が演出に合っていた。

 当然踊るだろうという役者陣を活かして存分にダンスシーンがあったのが嬉しかった。

劇団『ズッ友』

演出・脚本:松崎史也

テーマ:地図

タイトル:天を推して歩く

あらすじ:伊能忠敬が天文を学び、日本を歩き、恩師の死に悲しみ、日本地図を完成させるまでの史実を基にした物語。

 「かわいらしいおじさん」である唐橋充の魅力がコメディタッチの伊能忠敬の物語によって増幅された良い作品だった。ツイートによると、唐橋充主演で伊能忠敬の物語をやるのは座長の染谷俊之発案だそうで、チームの年長者枠の活かし方によっても他チームとの差別化を実現していたし才覚があるなと感心した。

 歴史ものだから入り込みやすいし、コメディタッチなので20分の枠に収めるための端折りがスムーズだし、すべての要素が「お祭り」的な企画に1番マッチした作品が提示されたと感じた。

 作品としての出来もさることながら、観客投票型のチーム制バトルのため「良いチーム」であることも勝負においては重要だと思うが、その点でも役者がいきいきとしている様が見て取れて素晴らしかった。

 

総評

 投票タイムに入った時、素直にその日1番楽しめたチームに入れようと考え、私は劇団『ズッ友』に投票した。

 他のチームの得票がどのようになっていたのかは開示されていないが、誰が主人公で物語の軸なのかが瞬時に解る作品が総合的な評価を得た結果なのではないだろうか。ジャンプ編集長の講評にもあったように、観客が作品に入り込むには「何に注目すべきか」を提示したほうがわかりやすい。作品がすべてわかりやすい必要はないとも思うが、短時間で多くの観客を楽しませようとするとどうしてもある程度のわかりやすさが必要になってくるだろう。その点で劇団『ズッ友』は評価されたのだと思う。

 演劇の性質として、観客のほとんどが作品に対して関心を持っていることが挙げられる。情報解禁、タイトル、大まかなあらすじや世界観を提示するポスタービジュアルなどの事前の情報を仕入れて観客は客席に座る。映画などの他の芸術鑑賞体験と比べてもチケット料金が高いからなおさら観客は好みのものを観られるように作品を選ぶだろう。しかし、演劇ドラフトグランプリでは脚本・演出・座組とテーマのみしか観客には情報が事前に与えられない。演劇が本来持つアドバンテージを捨てた状態で上演を行わなければならなかったから各チームかなり厳しかったのではないか。

 ビジュアルやあらすじをチェックして公演を楽しみに劇場へ行くところまでが本来の観劇体験なのかもしれないし、作品としても当たり前だけどちゃんと時間取って創り上げた作品の方が良い作品になるに決まってるが、主に2.5次元界隈を盛り上げる様々な個性のある演出家を集めて作品作りをするとこういう差が出るのだなというのが如実にわかった点では面白い催しだったのではないかなと思う。

 

【宣伝】2022年に観劇して良かった2.5次元作品

迷宮歌劇『美少年探偵団』

Amazon | 【Amazon.co.jp限定】迷宮歌劇「美少年探偵団」(早期予約メーカー特典:「キャストコメント視聴シリアルコード」付 ※2022年5月31日まで対象)(オリジナル特典:「舞台写真セット(札槻 嘘、麗 中心)」付)(完全生産限定版) [Blu-ray] | アニメ

 マジで最高。絶対絶対続編作って欲しいので円盤買ってください。

 演出の三浦香は大きいセット展開が得意なイメージなので、あえてあまりセットに予算がかけられない演劇ドラフトグランプリに参加してみて欲しい。どのような作品に仕上がるのか気になる。

記録:2022年2月

ミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stage

@KAAT 神奈川芸術劇場

0205昼/0205夜

@Tokyo Dome City Hall

0211昼東京初日/0211夜/0212昼/0212夜/0218夜(平松來馬250公演記念)/0220昼/0220夜(千穐楽

 「テニミュっていいな」。久しぶりにそう思えた公演。The First Stageを観なかったことを後悔。

 これはテニミュを観る人全員そうだと思うけど、天衣無縫の照明が大好き。天衣無縫が大好き。

 加えて私は3rdシーズンのテニミュが大好きだから、天衣無縫になった遠山金太郎越前リョーマのことを語った時、見える景色に確かに彼らがいて、その連続性が嬉しかった。そして、きっと平松來馬が王子様を卒業した後、私には彼の金ちゃんを思い出す瞬間がきっと多くあろうと思う。

舞台『機動戦士ガンダム00』破壊による覚醒 Re:(in)novation

@新国立劇場 中劇場

0213昼

 ロボット戦闘アニメでありながら人類の対話の物語。佐々木喜英が座組に加わったこともあり、戦闘シーンも見応えがあった。

 永田聖一朗は繊細な芝居が上手い役者との印象があった。しかし本作での永田聖一朗の演技は、繊細ながらも壮大な物語に決して飲み込まれない、まるで立ち上る感情が目に見えるような圧倒的なものだった。基本的にはクールであまり感情が表情に出ないティエリアだが、表情筋以外のすべてで最短ブチ抜きで怒りを発露させられる技術によって、ティエリアが持っているもの総てが身体に乗っているように感じられた。

シラノ・ド・ベルジュラック

@東京藝術劇場 Playhouse

0219夜

 情報解禁時から何故ゴーチ・ブラザーズが手掛けているのか全くわからなかったが、観劇しても特に理由はわからなかった。

 浜中文一には意識してないのにたまに劇場で出会うので面白い。それほど良い作品に出演されているということだと思う。

 絶世の美男子と言っていい古川雄大が醜い男シラノを演じることで美も醜も単に異形であるとしている物語と受け取ったのだけれど、何よりも私はキスが暴力であることをきちんとやったところで良い作品だなと思った。シラノにキスしたクリスチャンのシーン!ロクサーヌとは違って「本当に」キスしていたことへの拘りを感じた。喧嘩はちゃんとやるべきだから。

 クリスチャンは「キスをすることでシラノと1人の男になれたらどんなにいいか」と考えたんだろうし、ロクサーヌとキスした時/キスをする妄想をした時に「1つになれた」と思ったことがあるのかもしれない。そうだとしたらそのキスはクリスチャンなりの詩だよ!おめでとう!

機界戦隊ゼンカイジャー

 増子敦貴演じる追加戦士ツーカイザーことゾックス・ゴールドツイカーが出演してから視聴して最終カイまで辿り着いたのでほぼ完走と言っていいんじゃないか!?初めて戦隊シリーズを完走出来た。

 とにかくアッパーなテンションで駆け抜けてくれたおかげでもあるし、その裏にあるメッセージも好きだった。

 人間とキカイノイド。それぞれ違う種族が手と手を取り共闘するところからスタートするゼンカイジャー。最初は異種族との共生から始まったが、たとえ人間同士であっても仲違いは起こる。それでも、為すべきことが違ってもお互いを思いやることが出来るし、手に手を取り合える瞬間がある。そういう介人とゾックスとステイシーの在り方が好きだった。

劇場版『呪術廻戦0』4DX

  4DXを観るときはツルツルのボトムスは履いてはならないことを学んだ。椅子の上でずるんずるん滑る。