感想文としては満点

演劇と言葉あそび

「テニミュ」とわたし 〜9代目青春学園中等部男子テニス部卒業によせて

 キャスト、スタッフ、そしてファンに至るまでDream Live2018に関わった全ての皆様、千秋楽おめでとうございます!そして、9代目青春学園中等部男子テニス部の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本当にお疲れ様でした!

 キャストもスタッフもファンもみんな輝いていて、ずっと楽しくて、こんなに幸せなことがこの先の人生で訪れるのか心配になるくらい、幸せな気持ちにさせてくれる素晴らしい興行でした。ドリライが終わって数日は毎日、思い出しては泣き出しそうになっていたけれど、それは幸せだからで、そんな気持ちにさせてくれるDream Live2018の演者のみんなが大好きです。

 思えば、私は「シャカリキ・ファイト・ブンブン」を踊りたいがためにメルパルク大阪に出向いただけの演劇ファンだった。当時わたしは木村達成のファンで、ファンクラブにも入っていた。ある日彼のファンクラブ会員だけが読めるブログに「シャカリキ・ファイト・ブンブン」という謎の単語の羅列とともにやけに楽しそうな文章が綴られていた。調べてみるとどうやら「テニミュ」の曲らしい。ふと、彼の原点である舞台を観てみたいと思った。

 初めての「テニミュ」はプレイガイドを覗いて、インターネットでいい席が当たるらしいと知った当日引き換え券を購入して、窓口で1階の通路の後ろの席のチケットと引き換えてもらった。せっかくの通路席だったけれど、初めてのわたしには楽しみ方が分からなくて目の前をキャストが歩き回るのをただ眺めているだけだった記憶がある。手を差し出してハイタッチをしてもいいんだってことさえ知らなかった。

 それでもなんだか楽しかったから、幕間にテニミュの公式サイトを開いて名前を調べたダンスが上手い赤いハチマキの人、佐藤祐吾くんのブロマイドを帰りに1セット購入した。この時はまだ、こんなに長い時間彼のことを観続けることになるとは思っていなかった。劇場を出てすぐに次の公演もまた再びメルパルク大阪に出向くことも決めていた。「シャカリキ・ファイト・ブンブン」にはいたく感銘を受けてそれに対する熱い思いをぶつけたブログも書いた。

 六角公演は、初めて青学の入学、卒業を見届けられるのが楽しみだなあと考えながら観劇していた。初めて観た9代目青学の印象は不二周助役の定本くんが綺麗だということくらい。線が細くて、少女漫画の登場人物みたいで、長く伸ばした茶髪がよく似合っていると思った。ただ、みんなかっこいいけど、歌もダンスも特別心を奪われるということはなかった。そういえば、この頃は宇野さんの大きな瞳が苦手だったかもしれない。

 気持ちが動いたのは立海公演だった。「待っててくれ桃城」を聴いた時、この人を応援しようと思った。私は「テニスの王子様」を読んだことがないから関東大会立海戦の試合の流れも結果も知らなかったけれど、彼の歌声が力強くて、海堂薫の底力を感じて、この人は絶対に這い上がってくると確信した。試合結果には繋がらなかったけれども、試合中にメンタルを立て直した海堂くんをかっこいいと思った。

 六角/青学TEAM PARTY。キャストのことをきちんと知ろうとしたのはこの辺りから。加藤将の破壊力が凄まじいことを知る。ずっと楽しかった。

 比嘉公演。人生で一番通ったし人生で一番楽しかった期間だった。9代目のことがもっともっと好きになった。最後の最後で更に好きにさせるからズルい。

 9代目青学のみんなは卒業したけれども、私は9代目のみんなが大好きだから世界中に愛されていて欲しいと思っているので、それぞれが様々な場所で活躍してそれぞれにファンが増えると思うとすっごく嬉しい。一ファンとして、どこへ行っても愛されて欲しいと願うばかり。心の底からそう思っているし、そう思わせてくれるみんなが誇らしい。みんななら絶対世界中から愛されるって確信してる!そして私もみんなのことを愛してる!一生みんなのこと、みんなのことを大好きだったことを忘れないでいたい。

 そして、10代目。9代目青学のファンとして、阿久津仁愛のことを超応援しているし、10代目青学にも頑張ってもらわなきゃ困る。まぁ、阿久津仁愛は最強だし、そんな仁愛がいる青学が負けるわけないよなとも思う。ささやかながら、応援しています。立石俊樹と阿久津仁愛の頂上対決、楽しみだなあ!

【本日の現場】ラスト・ナイト・エンド・ファースト・モーニング

2018年5月16日 @HEP HALL

 記憶と記録に関する物語。記憶は不確かで、眠れない夜のように、あるいは起きられない朝のようにただそこらを揺蕩う。例えば今が朝の4時だとして、あるひとつの視点から見れば“今”は「眠れない夜」の一瞬であり、また別の視点から見れば“今”は「起きられない朝」という時間だ。どちらも間違いはなく、数字でさえ、客観的な情報でさえ、見る人によって意味が揺らぐ不確かさを多分に含んだ形の定まらない情報だ。そんな不確かさを含む情報に振り回される人びとの物語。

 「知らないこと」を知ってしまうことは悲しいことだなと思い、悲しい気持ちになっていたら永島敬三演じる温森春男がハラハラと涙を流していたのが印象的だった。世の中の大体のことは、知っているか、知らないことすら知らないことが幸せで、ベストな状態だと思う。知らないこと、忘れていることは存在しないも同じだからだ。

 良く言えば不思議なバランス感覚で積み上げられた芸術であるとも言えるし、悪く言えば不気味さも怖さも、そして言葉遊びについてもあと一歩足りないと感じる物足りなさがあった演劇だった。

げんいちろうくんとおでかけ!〜FSKのすすめ〜

 DreamLive2018始まりましたね。超楽しいです。気が狂いそうなほどです。もはや狂っています。公演中ずっと楽しいのでどうにかなってしまう。

 さて、DreamLive2018のグッズにはアクリルキーホルダーがありますが、このアクリルキーホルダーで私なりに全力で楽しんでいるのでお時間のある方は見ていってください。ちっちゃいげんいちろうくんの可愛さを自慢したいだけです。あんなにおおきくてかっこいいげんいちろうくんが、手のひらサイズになっちゃって一緒におでかけできるのすごくかわいくないですか!?かわいい〜〜。

 自画自賛なんですが、「#げんいちろうくんとおでかけ」というタグの字面がとにかくかわいい。このタグは実は元ネタがありまして、それが「#FSKとおでかけ」というタグです。

 FSKというのはフィギュアスタンドキーホルダーの略で、ハロー!プロジェクトのオフィシャルショップで販売されているグッズです。ハロプロファンの間ではこのFSKを写り込ませた写真をツイートすることがブームになっていて、そのブームの立役者が私が推してるユニットであるJuice=Juiceのリーダー、宮崎由加ちゃんなのです。彼女が発信した「#ご飯ととるのがいいと聞きました」タグから「FSKとご飯を一緒にとる」文化が広まり、FSKの人気が高まりました。ハロプロショップ公式アカウントが「#FSKとおでかけ」タグを同時期に設定、急速にFSKブームが広がった印象です。

 と、経緯はこれくらいにして。オタクの方はアクリルスタンドのひとつやふたつ、持っている方も多いと思うので、台座を流用して、是非 #◯◯くんとおでかけ とタグをつけてアクリルキーホルダーで楽しんでみてください!私が見たいだけなんですが!(げんいちろうくんのタグはよろしければ、私が勝手に嫉妬に狂うので、さなだくんでお願いします…滅茶苦茶言うな……)。

 お時間よろしければJuice=JuiceのMV動画も観ていってくださ〜い!歌が上手いのでライブ動画もオススメ。

【本日の現場】GEM CLUB II

2018年4月15日 @サンケイホールブリーゼ

 観ていて考えたことは、(任意ではない)推しが出演していると楽しい舞台なんだろうなということだった。(何度も言うが任意ではない)推しがいないことが悔しかったくらい。推しが出てないとつまらないクオリティというわけではなく、好きな俳優が一度に色々やらせてもらえる興行っていうのはなかなか無いからすごく楽しいだろうと思う。

 大阪千秋楽挨拶にもあったように、ダンスや歌がそこそこ出来る若手を集めて満足のいくクオリティとクリエやブリーゼくらいのキャパ感でショーを催すことは現状では結構難しいことなのかもしれない。それこそ、それを多少無理矢理にでも出来る主催って今の日本ではジャニーズ事務所くらいなもんで。いわゆる若手俳優を集めてこれをやろうっていうのはなかなか大変だったろうと思う。若手俳優が出演するだけの舞台なら2.5次元界隈に沢山ある時代だけれども、そこから一歩先のクオリティを求めて、かつ具体的なスキルを積める現場ってありそうでないので日本エンタメ界の光だなと思うし、是非続けていって欲しい興行。

 残念なところがあるとすれば、演出との兼ね合いもあるので難しいところではあるのかもしれないが、若手を育てる/ファンをつける事がGEM CLUBの趣旨であるならば、二部のショータイムで顔や髪型が隠れるような衣装はなるべく控えた方がいいだろうなーという点かな。

 

 多和田さんは天性の人たらしという印象を持つ。何故だかいつもニコニコと楽しそうで、踊りもなんだか「人がいい」んだろうなと感じてしまう。関西弁でベラベラ喋っているのがまた憎い。彼は手も足もすごく長いのにきちんと捌けていて上手いので、すごい。首も長いので表現に幅が出来るのが良いなぁと感じた。

 古田さんのリョーマを見たことがあるはずなのだけれど、その時は個人的にそこまで注目していなかった存在だった。けれども、この公演を観て、彼はなるべくしてリョーマ役を掴み取っていたのだろうなと感じた。何故かというと、彼は(特に舞台の端にいる時の)求心力が凄まじい。小柄な男性だけれども、むしろあのサイズ感で生まれて正解だなと思った。スタイルがよいからという理由で彼の求心力の強さを片されることがないから。ジャニーズ事務所の社長であるジャニー喜多川さんがラジオ出演した事があって、その番組での彼の「昔は、アイドルは小さければ小さいほどかっこよかったんだよ」という言葉が印象に残っている。全く根拠がない話だったから彼の好みの問題ではないかとも思っていたのだが、身体的な魅力を、内面的な魅力が凌駕しやすい状態にあるからではないかと考えると合点がいった。ここでいう内面的な魅力というのはパーソナリティの話ではなく、ステージでの在り方についての話だ。媚びが無く、自信があり、俺はここだと言わんばかりのパフォーマンスに何度も目を奪われた。まさしく、あの求心力こそが“スター性”というものだと思う。ショーマンとして素晴らしい才能を持っていると思った。この公演をもって俳優活動に区切りをつけるとのことだが、正直残念に思う。