感想文としては満点

演劇と言葉あそび

【日記】カレンダーイベントに行ってきた

カレンダーイベントに行ってきた日の日記だが特にカレンダーイベントの内容に言及するものではない。

今年もカレンダーイベントに行ってきた。

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平日夜のイベントということで、仕事終わりに行けなくもないが美容室で髪切ってもらってついでにセットしてもらう方が都合が良いなと判断して有給を取って挑んだ。

ウキウキで挑んだのでショートパンツにサンダルにと夏みたいな格好をして、崩れたら面倒なのでベースと眉だけ描いて家を出た。きっと渋谷のお洒落な美容師さんは先週眉サロンで整えてもらった綺麗な眉と気合の入った服に対して薄すぎる顔に若干「こいつマジか」と思ったことだろうと思う。私は割とすっぴんで家を出られるタイプである。

何かしら昼ごはんを外食してから行ける時間に美容室の予約を取っていたので(結局家でダラダラ用意をしていたので家で昼食を摂った)イベントまでかなり時間が余った。せっかくなので原宿に出向いて新しいアイシャドウをゲットしてついでにちいかわらんども覗いた。割と空いていた。

お手洗いでメイクをして、用を足した際に最初の事件が起きる。爪を引っ掛けたのかストッキングに穴が空いた。朝下ろしたばかりなのに……!ショートパンツでなければ見えない位置だったが、今日はショートパンツだし、何より推しに会える機会なので「一応ちゃんとした格好にしよう」と履き替える決意を固める。

再び渋谷に戻り、思い立ってNintendo TOKYOを訪れると平日の昼にも関わらずものすごい盛況ぶりで整理券を配っている始末だった。ちいかわらんどとは比べ物にならないほど混んでいる。そんなまさか。「外国人観光客が多いと平日でもそうなるわけか……」と思いながら流石に待つほどの時間はないので残念ながらスルーする。欲しいものがあるのでいつか必ず行きたい。ちなみにマツケンサンバのコラボカフェも盛況だった。

109でストッキングを買う。3足買うと安いが、これから夏なのにそこまでストッキングが必要だろうかと長考し1足購入。お手洗いで履き替える。109を出て会場の方へ向かう。

ここで2度目の事件が。なんでもない場所で大コケして膝を擦りむく。下ろしたてのストッキング、まさかのきっかり5分の命。3足買えば良かった!血塗れの膝を見つめながら考える。この調子だとまた何かやらかすかもしれない……私は今までの経験から私を信じていない。ということは早めに会場に着いておく方が良いだろうと判断し、多少時間に余裕があるものの急ぎ気味に行きすがらにドラッグストアでマキロンティッシュと絆創膏とストッキングを引っ掴んでレジへ直行し、会場へ向かった。

歩きながらふと購入したばかりのストッキングを見る。

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ショートパンツだって言ってるじゃん……!!!!

会場まであと3分というところでオタクは生脚を推しに晒す覚悟を決めた。

会場に入って再びお手洗いをお借りし、マキロンを塗りたくりクソデカ絆創膏を片膝に貼った。

わんぱくオタクの誕生である。

改めて購入した絆創膏を確認したらジャンボ(Sサイズ)と書いてあるのだが、どういうこと?

会場内で何故か来てくれた他の俳優を推しているお友達と合流した。接触現場にも関わらず類を見ないほどの和やかさを誇る現場の雰囲気に慄いており面白かった。そう、この現場、そこが愉快なのである。もう私はこの和やかさとゆるさじゃないと行く気が起きない。私は平和ボケわんぱくオタクである。

平和ボケわんぱくオタクはクソデカ絆創膏に触れられて心配されることだけを懸念していたが(申し訳ないので)、さすがに人の脚を不躾に見るような人でもないので特に見つからずに済んで安心した。というかよく考えると身長が高すぎて彼の目から私の膝までの距離が長すぎるからそうそう見つからない。

今回は自分への復職祝いとして(自分比で)少し気合を入れたので、ぐるぐる回りながら真面目っぽい話も意味のない会話も楽しんだ。どんな話題を投げても同じ熱量で受け止めて機転を効かせながら適切な返答を投げて返してくれるところが好きだなーと思ったし、この善性のかたまりみたいな人間だけは健やかに生きてくれーとも思った。

再度友人たちと合流し、パンケーキを食べて解散した。みんな各々楽しめており良かった。

最寄り駅に着いたらパンケーキだけでは足りなかったな……と気付き、おにぎりを買って帰宅した。もうチェキ撮影は終わったので容赦なく食べた。

食いしんぼう平和ボケわんぱくオタクの日記、了。

【レポート】南座 春の舞台体験ツアー

ゴールデンウィーク最終日、いかがお過ごしでしょうか。皆さん連休は楽しめましたか?

私は帰省ついでに京都にある南座で開催された南座 春の舞台体験ツアーに参加してきました!

南座と多和田任益さん(8頭身アクスタ「めっちゃスキェ。」)

多和田任益さん(8頭身アクスタ「めっちゃスキェ。」)もニッコニコ

以前から東京藝術劇場のバックステージツアーのレポート(東京芸術劇場プレイハウスのバックステージツアーが楽しすぎたのでレポート - しおりん日記)等を読んでバックステージツアーに憧れがあり、どこかの劇場を見学出来るイベントに参加出来ないだろうかと機会を伺っていたのだが、e-plusのメルマガか何かで偶然こちらの企画を目にして「ようやくタイミングが合った!」と思い母を誘ってチケットを購入した。

今では「もし『熱海殺人事件』を観るなら出来れば紀伊國屋ホールで!」と勝手に宣伝するほど紀伊國屋ホールを愛してやまない私*1だが、実は初めて「熱海」を観たのは南座である。

訪れた回数は少ないものの一生をかけて愛するつもりの大事な作品に出会った特別な劇場なので、初めてバックステージツアーに参加出来たのが南座で良かった。紀伊國屋ホールもバックステージツアー……やって欲しいが……!

当日は連休中という事もあり京都は人手が多そうでテンションが下がっていたため遅めの昼食を取りつつ少しぶらついたら特にやる事がなくなってしまった。早めに劇場に向かったところ、スタッフさんが頑張って呼び込みをしていた。次回開催時にはもう少し人が入ればいいなとの思いもあるのでレポートをする(といっても舞台機構の体験がメインなので参加人数のキャパシティはそこまで多くない気がする)。

まずは入り口でチケットをもぎってもらい座席に着席。入場時に南座の解説が載ったパンフレットを手渡された。

客席内で撮ったパンフレットの写真

パンフレット

事前にプレイガイドでチケットを購入する際に連番で買えなくて困惑した(連番で購入出来ない旨の表示がされる)のだが、座席番号を見た感じで「どうやら1席空けで売ってるらしいな」と予想して2枚購入したところその通りだった。今後もこの運用かはどうかはわからないが京都観光しつつ来ている人も多いと思うのでお土産などの荷物も置けるし便利だと思う(大人数が参加するものではないし)。

座席に柏餅が貼ってあったのが良かった。可愛い。

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お気付きの方もいると思うが、写真が撮り放題で、普段は客席での撮影厳禁の舞台ばかり観ているため劇場でいくら写真をとっても問題がない事が既に面白くてまだ始まっていないのにも関わらずテンション上がり気味にめちゃくちゃ写真を撮った。

写真撮影可能だと気になるのが他の人の写真への写り込みだが、スタッフさんもSNSに上げる際の注意事項をお話してくれていたので安心した。

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座席で軽い説明を受けた後はいよいよ舞台上へ。

客席に入る扉の横に花道への扉があった

実際に役者さんが登場するのと同じように花道を通って舞台に向かった。花道を歩くのはかなり気持ちが良く、観客の視線を集めて花道を歩くのは相当な気持ち良さだろうと考えながら歩いた。
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舞台上からの景色

ここで説明があったのが、南座の舞台は通常はヒノキが全面に張られた所謂「檜舞台」であること。

推しの俳優(味方良介)が特に演劇愛が強く「土足で舞台上に上がるなんてあり得ない」という思想の持ち主なため私も劇場に行く前に土足で舞台上に上がることになるのだろうかと気にしていたのだが、お客さんを迎えるために今回は黒いシートを敷いているとのことで安心した。

舞台上には実際に使われていた大道具が置かれていて「是非記念撮影してください」とのことで舞台上でもバシバシ写真を撮った。母がどこで撮影しても棒立ちで面白かった。何故。

舞台上では廻り舞台と上がり迫り、下がり迫りを体験。

廻り舞台は体感では動く歩道に近いイメージ。それよりは若干揺れる。「乗り物酔いをしやすい人は内側の方が酔いにくいです」との案内があったので酔いやすい方は案内に従うと良いと思うが、そうは言っても動くのは数分もないので大抵の方は恐らく大丈夫かと思う。

その後2手に分かれて上がり迫りと下がり迫りを同時に稼働させ、交代でどちらも体験。

スタッフさんも仰ってたのだが、上がると照明が高くなって暑く感じて、逆に下がると舞台の下はヒンヤリとしていて涼しいくらいで、「こんなに体感温度が違うんだな。照明ってやっぱりすごく暑いんだ」と実際に体感出来たのが印象的だった。

上がり迫りからの景色

上がり迫りは180センチほど上がるとの説明だったので高所恐怖症だと若干厳しいかもしれないが、私もどちらかというと高いところは苦手な方だが全然平気だった。「すげーー」が勝つ。

下がり迫りからの景色

その後は舞台脇の大道具の搬入口を見学。シアターコクーンもそうだが、舞台のすぐ外には「日常」があると思い知らせるのがなんだか好きだ。

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再び舞台上に戻って、緞帳が下がった状態で歌舞伎の演出方式「チョンパ」の説明。

舞台上も客席も暗いままで緞帳を上げ、柝(拍子木)のチョンの音で突然パッと照明をつけることから「チョンパ」と呼ばれる歌舞伎の演出を体験。調べたら宝塚でも用いられる言葉のようだが私は知らなかった。

パッと照明がついて大向こうの「ヨッ!待ってました!」が聞こえた時にバカほど自己肯定感が上がり、「私、このまま舞台上で生きていく……!」という気になった。ファンの皆さんの温かい声援が私を舞台に立たせるという気持ちが身をもってわかる。来世は絶対ミュージカル『テニスの王子様切原赤也役になってやるからな

チョンパで照明が点いた際、花道に南座のマスコットキャラクターみなみーなちゃんがサプライズ登場してくれた。みなみーなちゃんは南座のマスコットキャラクターで、尻尾がついてるのが可愛かった。

あまりにも可愛いのでうっかりぬいを買いそうになったが私は前日に「布に出すならこの金額が限度だな」と私が考えている値段の倍以上するコートを買ってしまったので、耐えた。

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舞台上から降りて荷物を手にした後は自由に2階席、3階席を回ってちょっとした展示を見ることが出来る。

劇場を出るとちょうど次の回の客入れをしていたので丁度45分で終わった。

各階の座席からの見え方がわかるので南座での観劇予定がある方は下見が出来るのがおすすめポイント。

公式サイトに“「花道」「迫り」「廻り舞台」など江戸時代に日本の芝居小屋で発明された歌舞伎劇場特有の舞台機構を実際に体験できるユニークな劇場体験プログラム。”とあるように、舞台機構の体験がメインのちょっとしたアトラクション感覚のツアーだった。サクッと終わるので京都観光の予定に組み込むと良いかと思う。

夏にもあるようなので予定が合いそうな方は是非。

 

キャラクター大賞2023ではかぶきにゃんたろう(とバッドばつ丸)を応援してます!

 



記録:2023年4月

舞台『ダブル』

@紀伊國屋ホール

0401昼/0406スペシャトークショー

このブログ至上最も気合の入った批評文を書いた。2023年、かなりこれを書いて満足してしまった節がある。

記事には書ききれなかったが当然永島敬三もかなり良かった。

以下はスペシャトークショーのレポートツイートツリー

出演者に井澤勇貴がいるとめちゃくちゃ良い写真がいっぱい見られる!

TRUMP series 15th ANNIVERSARY
『LILIUM -リリウム 新約少女純潔歌劇-』

0415

情緒がおかしくなって終演後ひとりゲームセンターで無駄金を溶かした。

単体の作品としては楽しめるが年表を眺めて作品を観る才能がないので正直に言ってしまうと末満作品とは相性が悪い観客なのだが、初めて観たTRUMPシリーズ作品の初日を劇場で観られて嬉しかった。チケットお譲りいただきありがとうございます。

ラストシーンのリリーの咆哮の凄まじさと反りに感じる身体性、ファルスのもちもち赤ちゃんっぷり、マリーゴールドの陰気さなんかは「知っている」彼女らである一方で、マーガレットが全く違った方向へのアプローチを感じる仕上がりとなっていたのが良かった。

ナスターシャムちゃんがちいさくて小動物みたいでかわいくて夢中になった。

饗宴「熱海殺人事件〜ザ・ブランニューデイ〜」

@RESTAURANT BAR DisGOONieS

0423夜

友人各位に「これは観ておくべきなのでは!?」と太鼓判を押されて急遽観劇。

新しい「熱海」であり、かつ各団体が上演する正史の「熱海」と比べても極めてつかの思想を感じられる「熱海」。とんでもない作品だったし、何より面白かった。衝撃的かつ刺激的。良い作品に出会えたので何かしらの形できちんと文章化しておきたい気持ちがある。

 

4月末はぼくプリの情報解禁もあり楽しかった〜。

かなり真剣にキャスティングダービーしたのに掠りもしなかった。

そしてここでもキレたりキレなかったりしていた。

 

おかえり「プリキュア」〜ぼくプリ情報解禁に寄せて

プリキュアシリーズ初の舞台化作品が発表された。タイトルは『Dancing☆Starプリキュア』The Stage

舞台オリジナルの「男子プリキュア」が活躍する新たなプリキュア世界を味わえる作品だそう。

解禁された情報を目にした時の最初の感想は「観たい!!!!楽しそう!!!!」だった。フリルが多い衣装、プリキュアらしい可愛い妖精、カラフルな配色。これを好きな俳優が演じたら? きっと楽しい観劇体験になる。素直にそう思った。

脚本・演出のほさかようは、私はまだ観る機会に恵まれていないが特に男性の俳優が出演する舞台作品で評価を得ているスタッフであるから機会があれば作品を観てみたいと思っていたのでその点でも楽しみだった。

そして何よりも私にとってはこの作品がプリキュアの名前を冠していることが嬉しかった。この作品と私が出逢うには彼らが「プリキュア」じゃなきゃダメだった。

私がプリキュアシリーズと出会ったのは小学生の時である。ちょうど小学校に入学する時期に『ふたりはプリキュア』の放送が始まった。毎週アニメを観て、プリキュアが印刷されたピンクの鉛筆を筆箱に入れて登校していた。まだブラウンのランドセルすら珍しかった頃の話だ。続編の『ふたりはプリキュア Max Heart』までは観ていた記憶があり、そこから自然とプリキュアを「卒業」したありふれた元女児が私だ。

プリキュアを観なくなり、そして大人になった今でもプリキュアシリーズは脈々とその歴史を繋いでいて、もう20周年を迎えるらしい。

当時から今もプリキュアシリーズを追いかけているかつて女児だった女性もいるだろうし、途中からプリキュアシリーズにハマった人びともいるだろう。ただ、シリーズが続く中でテーマや姿形を変えていく「プリキュア」は少なくとも私にとっての「プリキュア」ではなくなっていったし、プリキュアという単語や概念は現在子どもであるどこかの誰か、あるいは(主に男性の)大きなおともだちのものであるという印象が年々強固になっていった。

これ自体が悪いことだと思ったことは決して無い。子ども向けアニメが今を生きる子どもに向けた作品であることに何の不満もなかったし、そうあるべきだとも感じている。プリキュアシリーズは私の手を離れるべきコンテンツなのだと。ただ、例えば今も大人の女性向けにグッズなどコンテンツが展開され続けていて、アニメ放送当時のように月野うさぎが変身する『美少女戦士セーラームーン』を見かける度になんだか羨ましい気持ちになっていたことも事実だった。セーラームーンはかつてセーラームーンに憧れた女児たちのためにあの頃のままセーラームーンでいてくれている。私にとっての「プリキュア」はもう簡単に目にすることは出来ないのに。

街中で「プリキュア」を見掛ける時、プリキュアという単語がなぎさとほのか、あるいはかつて女児だったあの頃の私たちだけのものではない寂しさはいつもどこかにつきまとっていたような気がする。

もちろん私にとってなぎさとほのかこそがプリキュアであるように、「Splash Star」の2人がプリキュアだと認識している人もいるだろうし、あるいはプリキュア5かもしれないし、フレッシュプリキュアこそがプリキュアだという人もいるはずだ。毎年新しい「プリキュア」が生まれる度に一抹の寂しさとノスタルジーを感じる。これはプリキュアシリーズを卒業していったかつての女児たちがそれぞれに多かれ少なかれ抱えている思いではないだろうか。

そんな中で発表された舞台作品の「男子プリキュア」。

前述したようにプリキュアシリーズはそれぞれに自分にとっての「プリキュア」像があり世代間でその姿が全く異なるためこれまでのいずれかのプリキュアが復刻するよりも新しいプリキュアが生まれることで多くのかつての女児が楽しめる作品になるであろうと思った。これは素敵なことだ。

加えてある程度金銭的に余裕のある大人が観客の多くを占めることになるであろう舞台をフィールドにプリキュアシリーズ作品が作られること、「男子プリキュア」がメインキャラクターということから明確に大人の女性向けのプリキュアシリーズであることが読み取れて、「ぼくプリはかつてプリキュアに憧れたあなたのためのプリキュアですよ」という強いメッセージを感じた。

正直「ある程度若くて(恐らく綺麗な顔の)男がプリキュアをやるから女性向け」とは言いたくない。言いたくないんだけど、でもやっぱりファーストインプレッションが「私のためのプリキュアだ!」だったのは自分にとっては否定できない感情だった。

ぼくプリは私が今からプリキュアシリーズに再度出逢うならばこれしかない形の新しいプリキュアシリーズだったし、プリキュアという単語や概念が再び自分の手中に舞い戻ってきた喜びが確かに沸き上がった作品だった。ぼくプリがプリキュアという名を冠していなければ味わえない喜びだ。

そう考えるかつての女児は少なくないんじゃないか。そう思うとぼくプリは20周年企画としては、だからこそ、悪くない企画なんじゃないだろうか。

勿論、先ほど挙げた要素のどれもが劇場から大人な女性以外の属性の誰もを排除しようとするものではなく、私が「男子プリキュア」について「これは私のプリキュアだ」という風に捉えられたように、ぼくプリに対して「これは自分に向けたプリキュアだ」と思った誰もが劇場で新たな「プリキュア」に出逢えば良いことはハッキリと書いておく。

女の子が闘う姿が提供されたことでバトルアニメ(闘うこと)が「私」の手中に収まった喜び、プリキュアシリーズの原点がそこにあるならば。プリキュアシリーズがより明確な形で自分の人生に交わることは「プリキュア」が再び「私」の手中に収まる体験に他ならなく、欲しかった得難い体験であり、かつこれは原初の喜びと酷似しているように私は思う。

女児のための作品であったプリキュアシリーズに「男子プリキュア」が登場することで女子あるいは女性の活躍の機会を奪うことになるのではないかという懸念は理解出来る。舞台作品を好まないかつての女児もいるだろう。しかし、それはそれでニーズにあったプリキュアが展開されていけばいいと思う。様々な「プリキュア」を表現してきたプリキュアシリーズにはそれも不可能なことではないのではないか?と門外漢ながら思う。

とにかく私は今、ぼくプリの上演がすごくすごく楽しみだ。