感想文としては満点

演劇と言葉あそび

【速水刑事観察日記】期待される刑事像・速水健作

 3月14日マチネ/ソワレ

 初日から1日ぶりの観劇。1日目を離しただけなのに抜群に伸びていだからこの座組は恐ろしい。序盤の初日特有の上滑り感がなくなったから乗り物酔いするような急上昇/急降下はなくなっていたものの、それに油断しているとやはり狂った顔した水野に刺される羽目になる。2度目に観ると冒頭独白の意味がわかることとラストの狂気がより感じられることも相まって、演劇としての面白さが格段にハネたと感じた公演だった。

 

 芝居も歌も上手い菊池くんだけど、一番偉いのは「抱きしめてTONIGHT」のイントロでちゃんと見得切れるところな気がする。番ボはそういうところがえらい。

 ソワレに水を飲む伝兵衛の腕を引いてしまい水をこぼしたことを散々イジられ「拭けよ」「ああいうのは滑るから危ないんだ」「俺は霧状にしてただろう」と怒られていたが、マチネの同シーンで伝兵衛の水を欲しがるという“ボケ”に急ハンドルを切り、再び「お前後で説教だからな」と大山に怒られ、水野のキレを引き出したの、凄すぎる。そもそもモンテカルロであるとはいえ木村伝兵衛にあの態度を取れる肝っ玉よ。大山に立派に仕立て上げられる熊田(概念)、やはり面白い。

 出来れば楽までずっと怒られて欲しいな、面白いので。