感想文としては満点

演劇と言葉あそび

【本日の現場】Coloring Musical「Indigo Tomato」

 私にとって青は特別な色だ。未来とか、希望だとかは青い色をしていると思う。好きな色で、好きな人の色。五関くんの色、青学の色、そしてマーキューシオ様の色!そんな色をまた平間くんが纏って、ワクワクした顔をしていて、それを見られてとっても幸せな気持ちになった。彼の楽しいって顔がとても好き。

 母に捨てられ、弟を頼り生きてきたサヴァン症候群共感覚の持ち主の青年タカシの物語。私はこれを「いかに自分らしく生きられるか」を主題にした物語と解釈した。結局は自ら切り拓いていくのみだけれども、周りの応援は十分条件かなと思う。キッカケにすぎないけれどキッカケというイベントはすごく大事。抑圧されている人間がしがらみから解放に向かってゆく姿にはえもいわれぬ美しさがあって、魂が震えて涙をツーッと流してしまう。美しさを感じている時点で「共感」ではないのだけれど、この感情を現時点で私は「美しさ」としか表現出来ない。

 偏見を持たれやすい病が題材にされてはいたものの、過剰に哀れみを向けられたものではなく、かといって過剰に持ち上げるようなこともせず、その点に関して真摯さを感じた。ただの特性であって、それ以上でも以下でもない。私は平間くんの身体性が好きであるから、サヴァン症候群特有の挙動を演じる彼を見て彼により惚れ込んだ。感情よりもっと深いところから滲み出る動きは、身体性のない人間にはとても難しいと思う。

 身体表現が群を抜いて得意な俳優として彼のことが大好きだから、クライマックスのタカシが一番輝くシーンで表現として選ばれた手法がダンスだったのが嬉しかった。

 「私は好き」「僕は好き」という言葉があたたかくて、私は好き。他を貶めずに個を大事にする事はすごく大事なことだと改めて感じた作品だった。