感想文としては満点

演劇と言葉あそび

きみのウインクは星を生むよ

 「ABC座2016 応援屋OH&YEAH!!」を観た。ごせきくんを好きなことをやめたい気持ちでいっぱいになってかなしい。ずーっとくやしくて、かなしい。

 この作品は私にとって、ABC座の中でも特に大切な作品だった。ごせきくんの殺陣とダンスが評価されてるんだと確信出来たものだったから。「株式会社応援屋」を“応援屋”足らしめているのは「応援」という行為で、物語のキーとして2つの応援行為がされている。ひとつめは株式会社応援屋の社長への応援、そしてもうひとつ、CATANAと戦う黒丸桂馬への応援だ。このふたつの要素なしにこの物語は成立し得ない。黒丸桂馬と将棋ロボCATANAの対戦は将棋駒を人に見立ててダンスと殺陣で表現される。黒丸桂馬が黒丸桂馬なのは「桂馬の桂馬が桂馬で大手」の布石だったのが素晴らしいだとかそんな話をしたかったのにここでそれが出来ないのは悲しいことだ。それはさておき、ダンスに関しては周知の事実だが、実はごせきくんは殺陣も上手い。殺陣師に「初めて私の思い描いた動きをしてくれた人だ(意訳)」と言わしめたほどだ。物語のキーになるCATANA戦で、ごせきくんが評価されていて、私も彼のそれが大好きな、ダンスと殺陣で舞台の上で活躍しているのを日生劇場で観て嬉しくて泣いてた。だからABC座2016は私にとってすごくすごく特別で大好きな作品だった。ABC座2015でごせきくんがセンターで「LETS SING A SONG」を踊っていて、それを泣きながら観てその後に「ごせきくんがセンターで踊るのなんてこれが最後かもしれない」って友達に訴えてた翌年のことだったから尚更だった。

 それなのに、メドレーの途中で大声の奇声が発せられていたり、ファンサービスなのはわかるけど曲の途中で汗を拭いていたり、どうしても許せない行為が目立つ。たぶんコンサートならいつものことだって許せたけど、日生劇場だし、うちわも初演と違って禁止されている。ショーとしての時間だから、おかしいと思う。そういうことが気になると、日頃から不満に思っていたことがバクハツして耐えられなくなった。メンバーがソロ活動に勤しんでいる間 コンサートの振り付けを全編任されていること(オファーがないからしょうがないとかそんなのは知らない。はたからみててかなしくてくやしい。ごせきくんが振り付けしているのが不満なんじゃなくて、その間他のメンバーはファンの前で仕事してるってのがむかつく。前のコンサートの注意事項をお知らせする動画、みんな外部舞台の衣装着て小ネタしてたのに、外部舞台してないからごせきくんだけえびちゃんずーの衣装でやってたのだって観てて悔しかった。)、そういう事情の中作られた振り付けを茶化したような振りに変えられること(せっかくごせきくんが振り付けしてもちゃんと踊れない、踊られない。くやしい。こんなふうに踊るならいっそのこと…と思っていつもモヤモヤする。動きが大きいので目につくしムカムカする。それも個性かなって思いたかったけどやっぱ無理だったなーーー!!!)、歌割が少ないこと、その為に映像だと抜かれにくいこと、映像で抜かれないと大好きな彼のダンスも観られないこと。やっぱり不満だなって思って、グループで活動しているのを観るのがしんどくて、次こそは我慢しよう我慢しようってムカムカする度に思ってたけどやってられないかもしれないとついに思ってしまった。ごせきくんを好きなことまでやめられたらいいのにって思ってしまった。ごせきくんのワンモアキスのワンモアキスのところの踊り方が大好きだし、ごせきくんの血振りは世界一だって今でも思っているし、ごせきくんのウインクは星が生まれるんだって思ってるけど、そんな嬉しい感情をかなぐり捨てたいくらい、大好きの気持ちを上回るくらい、A.B.C-Zが嫌いだって思う。やめたい。もしくは、ごせきくんがA.B.C-Zをやめたらいいのになぁ。