正しい偶像理論

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女体シェイクスピア008『艶情☆夏の夜の夢』

2016年8月19日 女体シェイクスピア008『艶情☆夏の夜の夢』夜公演 @ナレッジシアター

 シェイクスピア「夏の夜の夢」を日本風にアレンジ、女性のみで演じるというもの。シェイクスピアの演劇は元々男性のみで演じるものだったんだそうで、そういう点でも面白い試み。アフタートークで脚色・演出の中屋敷さんが、“シェイクスピアが好きで古典は堅苦しく思われがちだがそう構えずもっと色んな人に観てもらいたい”というようなことをおっしゃっていたが、『夏の夜の夢』を日本風にアレンジした表現は「日本人である観客がとっつきやすく わかりやすい」だけでない、説得力があったように感じた。役名地名はそのまま、しかし登場する職人は何故か江戸っ子気質、アテネ公シーシアスの結婚を祝う祭りは市民が円形にせりあがった舞台上をぐるぐると盆踊りで祝う。しかしそれが何故かリアルに感じる。日本語に翻訳して、舞台を日本に置き換えただけではない魅力がそこにあった。

 初めて柿食う客の演劇を観たのだけれど、役者がみなピカピカの存在感があるものだからすごい。すごみと言えばよいのか、その魅力にのめりこむしかなかった。これもアフタートークで知ったことだが韻を踏んだリズムよい台詞回しはシェイクスピアの特徴らしい。魅了的な役者から放たれるつるつると滑るような台詞と、間がよく何から何までするする事が進む様は胸をすくようで観ていて聴いていて気持ちがよかった。目の前のたのしいことしか考えなくてよくて、夏の夜の酔狂みたいな喜劇に酔うのはたいそう気分が良く、この演劇そのものが“真夏の夜の夢”のようだった。

 なにも考えずに取った切符を手に当日になってやっとそういえば“劇団”と冠する集団の演劇を観たことがないなあと気付いて一抹の不安すら覚えて会場に向かったのだが、今まで観てきた演劇はこういうのを目指していたんだろうなあとおもうほどの完璧さで何もかもがちょうどよく、初めてなのに身体に馴染んだ。小ネタもキキすぎず、笑いたい人だけ笑えばよい心地よさはこういう場でしかない感覚かもしれない。

 

 

 

 

 以下はアイドルファンとして興味深かった中屋敷さんのオフタートークでのお話についての話。「」内が中屋敷さんの言葉。

「女性パフォーマンス集団はバラエティ豊かで色んな魅せ方がそれぞれあって面白い」という話の中で「男性のパフォーマンス集団って“カッコイイ男性”ひとつの形しかない」という話をされていて、まさにそうだなと思った。もちろんその“カッコイイ男性”像の中においては様々に幅もあるわけだけど、しかし目指すのはどれも同じといえばよかいのか。同じか、逆か。意識している時点でどちらにしろ“お手本”はつまり同じ。長い間“ジャニーズ”が台頭していた弊害だとおもうが、そこが面白くもあるとおもう。中屋敷さんが“それ”以外のパフォーマンス集団を確立させたら面白いプロジェクトになりそう。