正しい偶像理論

見とめたもの全て記録したい

ライブ・スペクタクル「NARUTO」

 改めて2.5次元の面白さはその表現においての試みの多様さにあるなと感じた作品。“現実離れした”シーンの再現を、無限にある表現方法のひとつを選び出した結果が面白い。試行錯誤が見えるのも面白いし、試行錯誤の末に辿り着いたのが人力的な方法である事が多いのも面白い。勿論思いもよらなかった新しい表現に驚かされるのも面白い。「手作り」感がみえるのがひとつの魅力かもしれない。

 表現ひとつを取っても、言葉ひとつを取っても、演技に関しても、すべてが大仰で、アラも見えるので、本作の印象をひとことで表すならば「大味」ということばが適切なはずだ。演劇というよりかはまさにスペクタクル、派手な見世物で、まるでヒーローショウのようにも感じられた。しかしそれが「NARUTO」らしい気もするし、少年漫画らしい気もするので、すべてにおいてひとつの正解だったようにおもう。

 一番おもしろいと感じたシーンはチャクラの具現化。“九尾のチャクラが具現化”をプロジェクションマッピングによる映像ではなく、蛍光の九尾によって表現することで歌舞伎のような仰々しさが見えるのが新鮮だった。

 “俳優とそのオーラ”という視点でみると須賀健太という俳優、佐藤流司という俳優は面白いなと感じた。須賀くんはどうしたって華のある俳優というか、陽のひとだなと見ていてわかった。そのオーラは序盤の悪役には適さないのだけれど、不思議と主人公の仲間となればその場で馴染むのでみていてすごく面白い事象を観察出来たのではないだろうか。佐藤くんは自分という器にキャラクターを流し込むのがうまい。2.5のバイブル的な技術力を持っている。それに加えて、彼を注視する観客のひとみが更に彼をキャラクターとして完成させるのではないか。彼は知名度を上げるほどに更に凄みが増していく俳優なのだろうと感じた。