正しい偶像理論

見とめたもの全て記録したい

第206話「報告」

※ネタバレ注意※

 

 東京都代表決定戦、終了。それぞれの試合の勝敗が決まり、それぞれの春が始まる。ただ一校、戸美高校を除いて。

 大喜びする音駒高校の様子は微笑ましい。待ちに待った“もう一回がない”ゴミ捨て場がもうすぐ実現するんだと思うとワクワクする。抱き合う部員たち、バンザイして喜びを共有し合う灰羽姉弟、そして、肩を組み夜久を支え試合を振り返る3年生達。「ヘタクソにはヘタクソって言ってやれよ!具体的にな!」と言い放つ夜久さんはつよい。強さの裏には確かな実力があるからかっこよい。そんな夜久さんに褒められたらかなり嬉しいだろう、夜久さんにたっぷり褒められて喜ぶ一年生ズがかわいい。

 戸美の監督からの試合後の一言は、あまりにもあっさりしていて、しかし彼が初めて戸美のゲームと出会った日と変わらないのだろう。想起されるその日のこと、戸美の回想はゼッケンを着けているから練習試合だったのかもしれない。殊更熱血そうな出で立ちの監督に「君らは相手を煽ることが得意なのか そしてジャッジを惑わす事も」と問われる。誰あっても「あぁ、怒られるな」と思って身構える場面だ。「昔からやっていることです」という事実すらキッパリ言い放つことはできない。あの熱血さだから、彼は“正しい”人で、戸美の、他校から「セコい」と揶揄される部分を、ゲーム序盤は知らないのかもしれないとさえ思ってしまうほどだったが、しかし最後の一言は淡々と、彼らを慰めたり、励ましさえせず先を見据える姿に一筋縄ではいかない彼なりの信念を感じた。

 戸美の強さは絶対的なものではなくて、ゲームへの向き合い方は基本的にはただひたすら目の前のチームから点をひとつもぎ取れるか否かというただ一点にあった。その一点を積み重ねて積み重ねて、東京で4番目に強いチームにまで上り詰めていることは立派だ。そのバレーへの真摯さを黒尾くんが認めているから戸美のことを揶揄するだけで勝つための努力をしない輩を彼なりのやり方で否定したのだと思いたい。とっても粋で、カッコよくて、惚れそうだった。そして黒尾くんに戸美の武器は、“セコさ”じゃないんだって気付かされた場面だった。

 煽りやジャッジを惑わす行為は“更に”1点稼ぐための、相手より先に25点に辿り着くためのちょっとした裏技でしかなくて、ああいう小手先なものだけで1セット全ての点を稼ぐことなんて出来ない。彼女に振られるくらい、彼らだって練習に打ち込んできて、それ相応の実力があるべきだ。悔しくないわけなんてないが、それでも戸美が泣きながらも笑っていられたのは監督が思う存分やらさせてくれたからかもしれない。ヒール的存在であった戸美さえ悪者にしない鮮やかさがあったいい終わり方だった。悔しさを胸に潜くんは更に成長するだろうし、戸美はこれからもいいチームでいられる。

 サクサっょぃ。こわい。

 ゴミ捨て場たのしみ!!!!!!!!!!

BGM:「EVERYDAY 絶好調!!」Song by °C-ute『ショッキング5』より