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正しい偶像理論

見とめたもの全て記録したい

【本誌感想】第205話 ボールの“道”

※ネタバレ注意※

 今回の編も「ハイキュー!!」はすごい。というか、何よりも古館先生がすごい。
 セット終盤の同点。高千穂のサーブは音駒のエースへの牽制に失敗する。続いて研磨のサーブ、研磨はきっちりと見据える先の潜を牽制。エースが登場しなくても“流れ”はこうやって着実に作ってゆくことができることと、ジャンプ流で解説されていたローテーションの必然を感じる。
 「ハイキュー!!」の面白みのひとつはその伏線回収力にあって、それはこの作品を読む誰もが感じていることなのだろうけど梟谷VS音駒戦から本誌で追っている私にとっては、これが初めての体験で、あぁすごいなぁと改めて言わざるを得ない。多くの場合「ハイキュー!!」は課題発見→改善という流れでストーリーが進んでいき、今回は“チームワーク”の実行を図れないリエーフが、音駒次世代メンバーとして如何に“繋ぎの音駒”としてのチームを作り上げていくかというテーマで戸美戦が始まっており、音駒にとって大きな戦力であるリエーフの覚醒が不可避だったわけで、リエーフによる“チームワーク”の理解が大きなテーマだったわけだけれど、本能でボールに飛びついてドシャットを決めた時なんかは「あれっチームワークの話をしていなかったか?伏線は?」と戸惑ったりしたのだけれど、結局リエーフは“チームワーク”の本当の意味に気付いて、勝利を収めており、この1プレー1プレーで揺さぶられ、そしてテーマにしっかり回帰にする感じと、何週間もかけて作り上げられたワンゲームがピタッとハマる瞬間を見届けるのはきっと本誌を追いかける楽しみで、すっごく気持ちがよかった。
 リエーフがバレーボールを始めたのは高校に入ってからで、きっと“バレーボール”そのものに魅力を感じて部活に入ったわけではないと推察できる。彼にとって成功体験こそがバレーボールの魅力で、例えばスパイクが気持ちよく決まるとか、レシーブが綺麗に上がるとか、あるいはブロックでドシャットで決まるとか、そういう可視化できるプレーこそがバレーボールにおける成功であると思っていたはずだ。リエーフはMBだから基本的にはブロックが仕事であり、本人もドシャットがキモチイイと発言しているわけで、だから自分のプレーの成功(=ドシャット)の為なら、意地悪な言い方をすると周りを省みないで腕をブン回したりする。ただ、それをしてもなおボールを繋ぐことが出来たのはめっちゃくちゃ上手い夜久さんがフォローしてくれていたからで、それにやっと気付いたのが先週。試合最後の得点をもぎ取ったプレーはピタッとブロックを揃えてスパイカー潜にプレッシャーを与えてリベロ芝山へボールの道を空けるもの。自分でゲームメイクをして点をもぎ取る、先のプレーが“見えた”ことはきっと時としてマグレでドシャットを決めるより大きな成功体験で、リエーフにとって大きな糧になるだろう。
 どんな人であれ、自分の美学を貫き通す人が好きで、そういう人は粋だと思っているので、バレーボールプレイヤー・エースとして実力を見せつけた沼井和馬くん、そしてどんな手を尽くしてでも、泥臭くとも、点をもぎ取ることに執着した主将大将優くんをはじめとする戸美学園のみんなはもっのすごくかっこよかった!本当にお疲れ様でした!!!

 音駒勝利確定時のアリサさんのお顔が幼くてカワイイ。あかねちゃんとアリサさんは未来永劫仲良しでいて欲しい。