正しい偶像理論

見とめたもの全て記録したい

羽ばたく烏は上しか見ない

「ハイキュー!!」21巻感想

 「バレーは常に上を向くスポーツだ」。バレーはしない、したことが無い。それでもこの一言に大きく胸を打たれた。それはひたむきにボールを追って上を向いてきた少年達の姿を2年以上もの間見つめ続けてきたからに他ならないだろう。長かった白鳥沢戦にもやっと決着がついた。

 どんなに優勢であろうが、あるいは劣勢だろうが、ボールを見つめて追い続けなければ勝ちは訪れない。ボールを見つめ続ける、その様を恋に例えるならば。

 連載を続けていくうちに絵柄が進化していくのが漫画のひとつの醍醐味だと思うのだが、月島くんの精神がバレーに対して真摯に変わり、高まってゆくのに伴っているかのように、あるいはそのブロックの精度が高まっていくように細かにその表情が描かれるようになった月島くんの顔を、素晴らしく思う。バレーボールに恋した彼はとっても美しい。

 バレーボールを恋に例えるならば。その恋が報われることはあるのだろうか。スーパーレシーブが決まった時、ドシャットが決まった時、あるいはスパイクが決まった時だろうか。それともチームが勝った時だろうか。勝った先には新たな敵が現れることだろう。“勝ち”のその先はないとしても、その恋を諦めて、それでもなお自らが捩じ伏せられることを選んだ鷲匠鍛治という男はあまりにも哀しい。そしてその哀しさを愛しいと思う。

 今はただ烏野高校に一つでも多くの勝利あらんことをと願うばかりである。優勝、そして春高全国大会出場おめでとう。


白鳥沢学園に贈りたい一曲

BGM:「The Vision」Song by モーニング娘。’16