感想文としては満点

演劇と言葉あそび

6月の観劇まとめ

 なんと!もう!6月!現場ありません!マジかよ!? というわけでまとめます。まじかよ…。

 

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン TEAM Party SHITENHOJI

@日本青年館ホール

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 何故だか大阪よりとても楽しかった。しかし大阪よりキャストの粗が目立つ。

 四天キャスト、大人も含めてもう少し思慮深かったら嬉しいんだけどな…と思ったり思わなかったりした。というのも、TEAM Partyという興行はキャストとしてのトークパーティとキャラクターとしてのライブパーティの二本立て興行であることが大前提なので、ここを綯い交ぜにされてしまうとそもそも興行として成り立たなくなるというか、個人的には楽しめない。その点で言えばらいまはとてもえらい。

 全国大会で敗退した時間軸でオサムが「てっぺん目指すお前らに託すぜ」と歌うのは違和感があったのだけれど、そういえばTEAM Partyは次世代への付託が一つのテーマだったことを東京公演にてやっと思い出した。金ちゃんの「コイツをやっつけたい!」〜「This is my best!」(財前登場)の美しさよ。テニミュはこういう物語設計が上手いんだよなと改めて感じた。ドリライも期待してます。

 

ギャラリー・プロジェクト 演劇のおしごとVol.4~演出家とは?~

@新国立劇場 中劇場

 毎月無料で演劇に関する話が聞けるイベントを開催しているそうです。暇があったのと演出という行為に興味があったので参加。

 演出家が演出家という仕事について語る時、(中屋敷さんもそう言ってたけど)「演出家は偉いわけではない」ってみんな言うし、「演出」ではない局面の話ばかりされている気がする。素人としては演出行為のプロセスとか具体的な内容について知りたいと思ってしまうのだけれど、みんなそう言うので演出行為とはもっと概念的なものなのかもしれない。

 

 社会を変える怒りの表明がデモであってもいいし、演劇であってもいいように、それ以外の何かだっていいのではないかなと思う。選挙くらいは欠かさず行って欲しいと思うけど。私ひとりの1票ではどうにもならない。

 

 7月以降しっかり生きます。

 

 

追記:

外道ナイトvol.05 〜外道教会統一結婚式

@原宿ストロボカフェ

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 神様と結婚してきました。それ以後、彼のことばかり考えております。神様との概念婚は性別を持たない者と婚姻関係を結ぶのと同義のような気がしてきました。

 実はVol.2に行くつもりでいたのだが、どうしても運転免許を取得する試験を受けなければならず断念していたので今回やっと行けて嬉しかった。

 オタク発信のイベント、楽しいのでもっと色んな人が色々やって欲しいし機会があれば参加したいなーみたいな気持ち。

5月の観劇まとめ

 今月はトークイベント系がメインで数も少なめだったので思考領域的には暇だった。とはいえ全立前編と奇子のチケ取りとチムパの交換(と2.5次元舞台の先行)が一気に押し寄せてきたので気持ちには余裕がなくてんてこ舞い。夏以降楽しく生きるための下準備の期間だった。

 「奇子」のチケ取りは紀伊國屋最前こそ取れなかったが、そこそこ前列1枚と個人的には充分な枚数のチケット、水戸初日も大千穐楽も満足な列が取れたので、そこそこ良い結果に終わったのではないかな。というか紀伊國屋で前列入るとめちゃめちゃ首痛いのでそれを考慮すると良いチケットの取れ方なのでは。紀伊國屋は尻より首がやられるタイプ。若干上手が多いけどね!

 己の気合いと天才のオタクの協力あってのことで、他にも色んな人に協力してもらえたので周りに恵まれてるなと思う!楽しい夏にしようね!

 

独占インタビュー 運命のドロップキック Vol.39 ゲスト:味方良介

@新宿ゴールデン街劇場

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 酒飲みながら話が聞けるイベントは楽しいな…。年末に忘年会してくれないかな…テニスと被らない時期に…。

ダメな若手俳優のオタクでいいので - 感想文としては満点

 先日書いた記事は完全に自分の考えを述べただけなので、イベントの感想を少し書き残しておくと、「人間なので必ずしも平等には出来ないけど平等にする努力は怠らない」という平等さがあり心地よかった。どんなオタク活動においてもそうだけど、これ以上の領域はこちら側の運とか努力で成り立つものだと思う。それをわかっている人なのかもな。そういう面が(人間としてどうかなんて絶対判断がつかないけれど)、オタクとしての私がこの人の事を信用してもいいんだろうなと感じる点である。

 これは彼自身が観劇オタクだからというところはあるんだろうなと思う。オタクがアイドルになるとか俳優になるとかは一部のオタクには批判される事があるけど、好きなぶん、その人なりの美学があるから私は割とそういう芸能人が好き。もちろん生まれつきの才能と運命に抗いきれずステージの上に立っている人にもそれ相応の輝きはあるのだけれど、彼はそういう面も持っているので素晴らしい…と思う。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン TEAM Party SHITENHOJI

@メルパルクホール

0525昼/0525夜

@日本青年館ホール

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 現時点では「まぁ、いつものチムパだなぁ。」という印象が拭えない。いや、楽しいのですが、チムパって個人的には必死こいてチケット取ってあらゆるコストかけて行くものじゃないというか、私のチムパ原風景は定価でチケット買えて(なんなら余ってるくらいのノリで)ゆる〜い気持ちで挑めてゆる〜く楽しんで帰れる愉快なイベントなので、そういう意味でコスパ悪いなと思ってしまうところがある。お見送りも楽しいけど本公演観たいなと思っちゃうな…。

 お見送りは千田がとても頑張ってた…。廣野は財前にあるまじき優しい顔をしており、江本くんの調子が安定すぎてウケた………。らいまはかわいい。

 でもチムパのライブパートの無駄に凝ったマッピングと楽曲のアレンジは大好きで!これから行く人には特にエクスタシーは楽しみにしててもらいたい。本当に色んな人に観てもらいたい出来。「かっこよくない」ところも含めて四天宝寺として、白石蔵ノ介として、チムパとして、最適解だった。ちゃんとあつきの本業はそもそもこれでしたね…という格好良さもあるし、やっぱりテニミュくんは天才だな…。ていうかあつきメインで千田がバックで踊ってるのがなんというか…イイよね…!

太陽の子に抱かれて

 好きな人の匂いを買った。

 etat libre d'orangeというブランドのFILS DE DIEUという香水だ。意味は「太陽の子」。販売していた NOSE SHOPのInstagramの投稿には下記のような説明書きが添えられていた。

彼は太陽を連れてくる。美と葛藤、狂喜と苦痛を判別する目を持ち、夢と解放を指し示す高貴な知恵を抱く。それは、バランスからの逸脱を促し、純真さと狡猾さ、束縛と自由という相反する感情が錯綜する。

NOSE SHOP(ノーズショップ) on Instagram: “新作の他、10種類を超える日本未上陸の香りが期間限定ラインアップ! ELOの作り出す世界のすべてを覗き見するようなインスタレーション展示をぜひ御覧ください。 8.「ジュスイザンノム | 皇帝のテストステロン」…”

 この文章を読んだ時、愛する木村伝兵衛のことを思わずにはいられなかった。これ以上に私が言葉を尽くしても彼の事を言い表せない気がするほど、彼についての記述がされていたように感じた(実際には香水の説明書きなのだが)。

 購入した日は親不知を抜歯して貧血を起こしていたから、店舗に向かうのすら躊躇いもしたのだけれど、どうしても彼に会いたくて充分に家で休みを取ってから新宿まで足を伸ばしたのだった。

 ひとたびプッシュすればオレンジを素手で割ったように瞬く間に柑橘の匂いが立ち込めた。香りがきついというわけではないのに空腹を刺激するほどの瑞々しさを感じる果汁感に木村伝兵衛の激烈性を感じた。あるいはオープニングの激しいインパクトや、彼が喋るだけで沸き上がる高揚感にも似ていた。

 「こんなに様々な香りを楽しめる香水はない」という店員の売り文句通り、時間が経つにつれて様々な匂いがする。朝纏って、数時間経つ頃にはオレンジの爽やかさはどこかへ消え、コッソリと手首に鼻を埋めて息を吸うと「智」の匂いがしたりする。私は匂いに疎いので正確にはわかりかねるのだが、これがレザーの匂いなのかもしれない。先週の金曜日にはこれまでには感じなかった甘やかな香りが立ち込め、今日はそれよりは控えめに甘いココナッツのような香りがした。会う度に異なる顔を見せてくれるところも彼に似ていると思う。

 もしかしたらもっと自分に合うような香水があるのかもしれないが、彼を身体の一部に溶け込ませて1日を過ごし、時々密やかな逢瀬を楽しむと安心する。護られているような気にさえなるのだった。だから購入してとても満足している。

 

 ところで、その私が愛する紀伊國屋ホールの神様 ・木村伝兵衛に、あなたの家でも会えるチャンスがある。

 TBSチャンネル1にて5月25日(土)午後8:30から「熱海殺人事件 LAST GENERATION46」が放送されるのだ。これを観て、演劇界に燦然と輝く太陽・木村伝兵衛に恋してみてはいかがだろうか。全てが終わった後、きっとあなたの中で何かが変わるはず。明るい気持ちで前を向けなければ、この捜査は失敗だ。

 動画だけでも、何故私が彼を神だと感じるかの一端が見えるのではないだろうか。是非。

ダメな若手俳優のオタクでいいので

 独占インタビュー 〜運命のドロップキック〜Vol.39に行きました。内容は他言無用なので抽象的な話しか出来ないため、イベントを踏まえた自分の考えを書き残しておきます。「こういう」ブログを書くことは自分の意に反するのですが、それでも書きたいので書きます。

 私がアイドルのオタクから観劇オタクに方向転換した際に一つだけ決めたことは、俳優個人を解釈しないということ。あくまでも俳優を一人の人間として(=idolとしてではなく)好きでいようと決めていました。他人だからこそ、考えていること、本音はわからないと常に頭の片隅に置いていることが彼らへの精一杯の敬意だと考えています。完璧にその通りにいられているとも思えないですが、気をつけていることです。

 加えて、私はあくまでも舞台が好きで、だから上手い役者が好きなんだと言ってきました。ただ、そうではない所謂「若手俳優のオタク」も多くいて、勿論そのような人達が演劇業界を支えていることも事実としてあってその点に関しては敬意を払いながらも、わたしはそのように「オタク」をしたいわけではないという考えで観劇してきました。「俳優本人に対しお金を使いたい。支えたい。私が彼の特別になりたい。」という思いが私には無いというだけの話ですが、そのような「オタク」の人からすると私は「ダメな若手俳優のオタク」なのだろうな、もしくはその枠には当てはまらないのだろうなという思いから「若手俳優のオタク」を意識的に名乗らないようにしてきました。これは負い目でもなく卑屈な気持ちでもなく、また他の人間にこれを強要する意図もなく、私がそのように思うから私がそのようにしてきただけです。

 ただ、イベントを参加して、このような面倒な考えでも“推”せるのが彼なのかなと感じました。簡単に言えば、若手俳優とファンの関係性に対するスタンスの一致。理想の関係性がそこにあった気がしました。割り切るところと踏み込んでくるところのバランスが絶妙で、本人が心から舞台が好きで、考えがあり、しかも芝居が上手いところも好きだから、なんだかもう観念した方がいいのかもと思ったわけです。

 そうは言っても、私の観劇スタイルは今までと変わりなく「面白い舞台が観たい。上手い役者が観たい。演劇が好きだ。」という感情にのみ従って形成されるし、何も変わらないだろうとも思います。それはなぜかというと、ダメな若手俳優のオタクなので。なんてね。